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突然、水道管が破裂することは誰にでも起こり得る緊急事態です。家の中が水浸しになる不便さと焦りは計り知れません。しかし、適切な対処法さえ知っていれば、被害を最小限に抑えられます。
この記事では、水道管が破裂したときの対処法について解説しています。原因別に破裂への予防策も解説しているため、最後までご覧ください。この記事を読めば、水道管がいつ破裂しても冷静に対処できるようになります。
破裂直後の緊急マニュアル30分版

水道管が破裂したら、最初の30分が非常に重要です。落ち着いて、以下の手順で行動してください。被害を最小限に抑えることができます。
- 元栓・止水栓の閉め方
- ブレーカーOFFで漏電防止
- 写真・動画で状況を記録
元栓・止水栓の閉め方
まずは水の供給を止めることが最優先です。水道メーター付近にある元栓、または各設備ごとの止水栓をしっかり閉めましょう。
元栓は一般的に水道メーターボックス内にあり、ハンドル式またはバルブ式です。時計回りに回すと閉まります。止水栓はキッチンや洗面台の下、トイレタンクの横などに設置されており、マイナスドライバーで回すタイプやハンドル式があります。
水の供給を止めずにいると、家中が水浸しになり深刻な被害を招くおそれがあります。早めに元栓または止水栓を閉めることで被害の拡大を防ぎ、冷静に次の対応ができます。
ブレーカーOFFで漏電防止

漏電による火災や感電事故を防ぐため、必ずブレーカーを切りましょう。水と電気は非常に危険な組み合わせで、水に濡れた家電や配線に通電するとショートを起こし、火災や感電など重大な事故につながるおそれがあります。
まずは分電盤(ブレーカーボックス)の位置を確認し、メインブレーカーをオフにしてください。水漏れが発生している場所の近くにコンセントや家電がある場合は、該当する個別のブレーカーもオフにするとより安全です。
ブレーカーを切ることで、電気による二次被害を防ぐことができます。早めの対応が被害の拡大を防ぐポイントです。
写真・動画で状況を記録
被害の状況を正確に把握するため、必ず写真や動画で記録を残してください。これらは修理業者へ見積もりを依頼する際や、火災保険の申請時に被害の証拠として提出できます。
浸水している範囲、水が吹き出している箇所、濡れた家具や家電などを、角度を変えて複数枚撮影するのがポイントです。動画も併せて撮影しておくと、水の勢いや被害の深刻さがより正確に伝わります。
こうした記録は客観的な証拠として有効で、修理や保険請求をスムーズに進めるうえで欠かせません。慌てず、できるだけ詳細に記録を残しておきましょう。
水道管が破裂したときの症状

いざというときのために、水道管が破裂したときの症状を把握しておくことが大切です。ここでは、家の中や屋外、地下の水道管が破裂したときの症状を紹介します。事前に水道管が破裂したときの症状を把握することで、被害を最小限に抑えるための準備ができます。
家の中の水道管が破裂したとき

家庭内で水道管が破裂すると、水が漏れ出して、床が濡れます。水たまりができたり、壁が濡れたりする場合もあります。水圧の低下により水が出なくなることもあるでしょう。水道管からの異音や振動が感じられることもあります。電気設備に悪影響を及ぼし、最悪の場合はショートする可能性も考えられます。
屋外や地下の水道管が破裂したとき

屋外や地下の水道管が破裂するときは、水圧の急激な低下や、家全体の水供給停止が水道管が異常のサインです。水が湧き出る音や、植生が異常に濡れている状態も、破裂の可能性を示しています。地面に水たまりができたり、湿地のような状態になったりする可能性が高いです。
地盤が緩んで、道路や土地が陥没するリスクもあるため、該当する地域に住んでいる場合には注意が必要です。
水道管が破裂する前兆と早期発見

水道管の破裂は突然発生するイメージがありますが、実際には前兆が見られるケースもあります。早めに異変に気づけば、被害の拡大を防ぐことが可能です。
- 水圧・水道料金の異変チェック
- 壁床の湿跡・さびの確認
水圧・水道料金の異変チェック

普段より水圧が弱まっている、または水道料金が急に高くなっている場合は要注意です。これは水道管のどこかで水漏れが発生している可能性があるためです。
例えば、蛇口を全開にしても水の出が悪かったり、シャワーの勢いが明らかに弱くなっているなら、水圧低下が疑われます。水道料金については、毎月の検針票を見比べ、使用量に不自然な増加がないか確認してください。
こうした異変に早めに気づき、「おかしい」と思った段階で専門業者に点検を依頼することが、重大なトラブルを防ぐための重要な対策です。
壁床の湿跡・さびの確認
壁や床に原因不明の湿りやシミ、カビが見つかる場合や、水道管の接合部にサビが付着している場合は、水道管に異常があるサインです。これらは、水道管から少しずつ水が漏れている可能性があります。
特に、壁紙が剥がれてきたり、床がきしむ、カビ臭がするなどの異変があれば要注意です。水道管のサビは劣化や腐食を示し、そのままにすると破裂のリスクが高まります。
こうした目に見える異常は、水道管のトラブルを知らせるサインと考えられます。普段から水回りや配管をこまめに確認し、早めの発見と対応を意識することが大切です。
破裂の主な原因とリスクが高い場所

水道管が破裂する主な原因とリスクが高い場所について解説します。
- 凍結
- 経年劣化
- 地震や工事
- 屋外/床下/壁内など危険ポイント
凍結

寒冷地では、冬季に水道管が凍結して破裂する可能性が高いです。水が凍ると体積が増え、管内の圧力が上昇します。耐圧を超えたときに、水道管が破裂する可能性が高まります。断熱材を使って水道管の保温や、水の流れを維持して凍結を防ぐと効果的です。
天気予報を確認し、低温の予想が続く場合は、前もって対策を行うことが重要になります。
経年劣化

水道管が経年劣化によって破裂するのは避けにくいです。水道管の材料は時間が経つと強度が低下し、錆や腐食が進んで管壁が薄くなります。継続的な使用により、接続部分の緩みやヒビ割れが発生することも珍しくありません。経年劣化による水道管破裂を防ぐために有効な対策は、定期的なメンテナンスと交換です。
早期に問題を発見し、速やかな対策をとることでリスクを抑えられます。
地震や工事

地震による強い揺れも、水道管に損傷を与えて破裂しかねません。プレートの境界や活断層の近くに位置する地域では、地震による水道管の破裂リスクが高いです。水道管の材質によっては、地震の影響を受けやすいものも存在します。地震の揺れに弱い材質の水道管は注意が必要です。
工事中の振動や誤った操作が水道管を破裂させることもあります。大規模な工事では、地中の水道管に直接圧力が加えられることが、破裂の原因になります。工事現場では、事前の地中探査をしっかりと行うことが大切です。工事に伴う水道管の移設や改修が原因で破裂することもあるため、工事を行う際は十分な配慮が必要です。
地震後や工事直後に、水道管の点検と強化を行うことが破裂を防ぐための重要な手段です。適切なメンテナンスと迅速な修復体制を整えることが、安全な水道供給の維持につながります。
屋外/床下/壁内など危険ポイント
水道管が破裂しやすい場所は、屋外に露出した部分、床下、壁の中が代表的です。これらは温度変化の影響を受けやすく、点検も難しいため劣化に気づきにくい傾向があります。
特に屋外の配管は、冬場の凍結で破裂するケースが多く見られます。床下や壁内の配管は、湿気による腐食や地震などの外的要因で損傷するリスクがあります。こうした危険ポイントを把握し、冬場の凍結対策や定期的な専門業者による点検を実施することが破裂防止につながります。
応急処置で被害を最小限に抑える方法


水道管が破裂したときの対処法は以下のとおりです。
- 止水栓を閉める
- テープを使い応急処置を施す
止水栓を閉める


水道管が破裂した際には、迅速に止水栓を閉めましょう。止水栓を閉めることで、家の中での水害の拡大を防げます。止水栓が硬い場合は、ペンチやレンチを使って力を加えると閉めやすいです。閉じた後は、家の中の蛇口を開けて水圧を下げ、止水栓が正しく機能しているかを確認します。
テープを使い応急処置を施す

応急処置として、テープを使って破裂した水道管からの水漏れを一時的に止めましょう。まずは水漏れ部分をきれいに拭いて乾燥させます。防水性のある強力な修理テープを選んで、数回にわたりしっかりと巻きつけてください。テープをしっかり密着させるためには、巻きつけた後に押さえつけて、緩みがないか確認することが大切です。
漏洩修理作業手順(LLFAテープ、スムース)
水道局・業者に連絡するときの要点

水道管が破裂した際は、速やかに水道局または専門の修理業者へ連絡することが重要です。事前に伝えるべき情報を整理しておくと、対応がスムーズに進み被害拡大を防げます。
- 電話前にまとめる5項目
- 緊急料金を抑える見積り比較
- 水道局や業者へ連絡する
電話前にまとめる5項目
業者に連絡する前に、次の5項目を整理しておくと、状況が正確に伝わり、対応がスムーズになります。
- 氏名・住所・電話番号
基本的な連絡先情報です。 - 現在の状況
「水が噴き出している」「少量ずつ漏れている」など、具体的に説明します。 - 破裂・漏水箇所
「キッチンの床下」「屋外の水道管」など、わかる範囲で伝えます。 - 応急処置の内容
「元栓を閉めた」「応急的にテープを巻いた」など、実施済みの対策を伝えます。 - 建物の種類
「戸建て住宅」「マンション」など、建物の種類を伝えます。
これらの情報をあらかじめメモしておくと、焦らずに説明できます。特に被害が拡大しているときは、早急な対応が求められるため、正確な情報を伝えることが大切です。
緊急料金を抑える見積り比較
修理を依頼する際は、複数の業者に見積もりを取り、料金やサービス内容を比較するのが理想です。緊急時には1社に依頼せざるを得ないこともありますが、その場合でも必ず料金体系を事前に確認してください。
深夜や休日の作業では、追加料金がかかるケースが多いため、見積もり時に作業内容、部品代、出張費、緊急対応料金などがすべて含まれているかを確認し、総額で判断することが重要です。
悪質な業者に高額請求されないよう、焦らずできる限り情報を集めてから依頼することが大切です。あらかじめ信頼できる業者をリストアップしておくと、いざというときに慌てずに対応できます。
水道局や業者へ連絡する

応急処置を施したら、水道局や業者へ連絡しましょう。応急処置は継続的な対策ではないため、連絡も迅速に行う必要があります。緊急時に備えて、水道局や信頼できる業者の連絡先を事前に把握しておくことで安心できます。
連絡時には、破裂の状況をできるだけ詳細に伝えることが重要です。必要に応じて写真を撮影しておくと、状況の説明がスムーズになります。賃貸住宅であれば、管理会社や大家にも速やかに情報を伝えましょう。
修理の流れと所要時間

水道管破裂の修理は、被害の程度や破損した場所によって作業内容や所要時間が大きく変わります。この記事では、一般的な修理の流れと、状況ごとに異なる作業手順についてわかりやすく解説します。
- 軽症〜重症別の作業ステップ
- 壁内・地下配管の掘削ケース
軽症〜重症別の作業ステップ
水道管の破裂は、症状の軽重によって修理方法や所要時間が大きく異なります。
軽症のケースでは、例えばパッキンの摩耗やわずかなヒビ割れなどが原因の場合、部品の交換や補修材の使用で対応でき、作業時間は数時間程度で終わることがほとんどです。一方、重症の場合は、配管全体の交換が必要になったり、壁の内部や床下の作業が発生したりするため、修理には数日から1週間以上かかるケースもあります。
業者には状況を正確に説明し、どのような作業内容になるのか、作業にかかる時間の目安も必ず事前に確認しておきましょう。
壁内・地下配管の掘削ケース
壁の中や床下、地中に埋設されている配管が破裂すると、修理には壁や床の解体、地面の掘削といった大規模な工事が必要になることがあります。作業には時間も費用もかかり、専門的な技術と専用の工具が不可欠です。
さらに、修理後は壁や床の復旧作業も発生します。全体の工程や費用を事前に詳しく確認しておくことが大切です。このようなケースでは、複数の業者から見積もりを取り、作業内容・費用・保証内容を比較して慎重に選ぶことをおすすめします。
破裂後に起こる二次被害と対策

水道管が破裂すると、水漏れだけでなく多くの二次被害が発生する恐れがあります。被害の範囲や深刻さを正しく理解し、事前にしっかりと対策を取ることが大切です。
- 床・壁・木部の乾燥とカビ防止
- 家電・配線の水損リスク
- 水道管破裂後の復旧作業と所要時間
床・壁・木部の乾燥とカビ防止
水道管が破裂した際に特に注意すべき二次被害が、床や壁、柱などの木部への浸水による腐食やカビの発生です。木材が水分を含むと強度が低下し、カビはアレルギーや健康被害の原因にもなります。
浸水した部分は表面だけでなく内部までしっかり乾燥させることが欠かせません。十分に換気を行い、除湿機や扇風機を使って強制的に乾かすことがポイントです。早めに専門業者へ相談し、床下や壁内の状態を確認してもらいましょう。また、カビの発生を防ぐには徹底した乾燥に加え、防カビ剤を併用すると効果的です。被害が広範囲に及ぶ場合は、リフォームが必要になることもあります。
家電・配線の水損リスク

水漏れで家電や電気配線が濡れると、故障や漏電、最悪の場合は火災を引き起こす恐れがあります。特にコンセントや延長コードが浸水すると、感電など重大な事故につながる危険性が高まります。
水に濡れた家電は、決して自分で電源を入れず、必ず専門業者に点検を依頼してください。見た目に異常がなくても、配線内部がダメージを受けているケースもあるため、電気工事の専門家に確認してもらうことが重要です。
二次被害を防ぐには、まずブレーカーを切り、通電を止めることが最優先となります。安全が確認できるまでは、電気製品には触れないよう徹底しましょう。
水道管破裂後の復旧作業と所要時間
水道管破裂後の復旧には、以下の作業が必要です。
- 損傷の範囲を特定
- 必要な材料や工具の準備
- 破裂した水道管の除去
- 新しい水道管や部品の取り付け
- 防水処理
- 圧力テスト
- 配管周辺の清掃
上記の作業を行い、元通りに機能すると確認できれば作業終了です。水道管の復旧作業に要する時間は、破損の程度によって大きく異なります。軽微な破裂では、修理が数時間で終わるでしょう。しかし、範囲が広い場合や損傷が複雑な場合、数日かかる場合もあります。
地下や壁の中の水道管の修理であれば、掘削や壁を破壊する作業も必要なため、さらに長い時間が必要です。完全な復旧までの時間は一概には言い切れません。
予防のための定期メンテナンス


水道管の破裂は突然起こり、日常生活に大きな影響を与えます。以下のようなメンテナンスや対策を行うことで、水道管の破裂を予防することが可能です。
- 定期的にチェックする
- 業者へ点検を依頼する
- 摩耗している部品は交換する
- 古くなった配管は交換する
- 冬は断熱材を使用する
定期的にチェックする

水道管の破裂を予防するためには、定期的なチェックが欠かせません。具体的には以下のポイントを確認しましょう。
- 水漏れの兆候
- 配管のさびや腐食
- 配管の亀裂や損傷
- 蛇口やバルブの異常
- 水圧の変動
日常的に水漏れがないか確認することで、小さな異常や劣化を早期に発見できます。配管のさびや腐食が進行すると、水道管が弱くなり、破裂のリスクが高まるため注意が必要です。水圧が急に変動する場合、配管に負荷がかかっている可能性があります。配管の接続部も点検し、緩みや損傷がないか確認しましょう。
業者へ点検を依頼する

定期的なチェックだけでは不十分な場合があるため、専門業者に点検を依頼することが大切です。プロの知識と技術を持つ専門業者が点検することで、潜在的な問題を早期に発見できます。特殊な機器とツールを使用して正確な診断を行うため、家庭内での漏水や水道管の劣化を効率的に見つけことが可能です。
専門業社と点検の契約を結ぶと、定期的に専門家がチェックしてくれるため安心感が増します。業者に点検を依頼すると、緊急時の迅速な対応が期待できる点もメリットです。万が一、水道管が破裂した場合でも、すぐに対処してもらえるため、被害を最小限に抑えられます。
摩耗している部品は交換する

劣化した部品を放置すると、水漏れや破裂につながる可能性が高まります。劣化したパッキンや破損したジョイントは早めに取り換えましょう。以下の部品を重点的にチェックするのが有効です。
- ゴムパッキンやシール部品の摩耗
- バルブや蛇口の劣化
古い配管部品を新品に変えることで、配管の耐久性や全体の性能が向上します。部品の交換は専門業者に依頼すると、確実かつ安全に行うことが可能です。
古くなった配管は交換する

配管の寿命は、約20〜30年が目安です。材質によって寿命が異なるため、定期的に確認し必要に応じて早めに交換しましょう。古くなった配管はサビや腐食が進行しやすく、水質が悪化し健康に影響を与える可能性があります。水が赤く濁り、異臭が発生する場合は、交換を検討しましょう。
古い配管から水漏れが発生している場合、そのまま放置すると大規模な漏水事故につながる危険性があります。早めに専門業者に依頼して配管を交換することが重要です。配管の交換には費用がかかりますが、長期的にはコストを削減でき、安心して水を使用できます。
冬は断熱材を使用する
冬は水道管が凍結しやすくなるため、断熱材を巻いて防ぐことが重要です。特に寒冷地や屋外に設置された水道管は冷たい空気にさらされやすく、凍結のリスクが高まります。断熱材を巻くと、水道管内部の温度を保ち、凍結の防止に効果的です。断熱材はホームセンターなどで手軽に購入できます。
物件タイプ別の対応と費用負担

水道管が破裂した場合の対応や費用負担は、お住まいの物件タイプによって異なります。戸建て、分譲マンション、賃貸物件それぞれのケースについて解説します。
- 戸建て
- 分譲マンション(管理組合連携)
- 賃貸(過失判定と保険)
戸建て
戸建て住宅で水道管が破裂した場合、原則として建物の所有者が修理の手配と費用を負担する必要があります。
応急処置の実施、修理業者の選定、費用の支払いまで、すべて自己責任で対応しなければなりません。火災保険に加入している場合は、水漏れ被害が補償対象に含まれるかどうかを必ず確認してください。普段から信頼できる修理業者をリストアップしておくことや、保険内容を事前に把握しておくことが大切です。
分譲マンション(管理組合連携)

分譲マンションで水道管が破裂した場合、破裂箇所が専有部分か共用部分かによって対応方法と費用負担が異なります。
専有部分(各住戸内の配管)が原因の場合、基本的に区分所有者の責任で修理を行います。対して、共用部分(建物全体の給排水管など)が原因であれば、管理組合が対応し、費用は管理費や修繕積立金から支出されるのが一般的です。
まず管理会社や管理組合に連絡し、破裂箇所と責任区分を確認することが大切です。併せて、個人で加入している火災保険やマンション全体の保険が適用できるかも確認しておきましょう。
賃貸(過失判定と保険)
賃貸物件で水道管が破裂した場合、修理の責任や費用負担は「破裂の原因が誰にあるか(過失の有無)」によって大きく異なります。
経年劣化など入居者側に責任がないケースでは、大家さん(貸主)または管理会社が修理費を負担するのが一般的です。一方で、入居者が誤った使用をしたり、異常に気づきながら対応を怠ったりした場合は、入居者側の過失とみなされ、修理費用を負担することもあります。
まずは大家さんや管理会社に早めに連絡し、状況を正確に伝えて指示を受けてください。入居時に加入している火災保険(借家人賠償責任保険など)が適用できる場合もあるため、契約内容も忘れずに確認しましょう。
修理費用と保険請求の具体的手順

水道管破裂に関する費用と補償について、以下3つにわけて解説します。
- 修理費用の目安
- 修理に活用できる制度
- 火災保険による補償
- 火災保険・共済の申請フロー
修理費用の目安

水道管の修理費用の目安は、数千円から数万円が一般的です。破裂した水道管の材質やサイズによって変わるため、見積もりをすることをおすすめします。修理内容が複雑だったり、緊急性が高かったりする場合は、費用が高くなる可能性があるので注意が必要です。
業界全体の費用相場を知りたい場合は、複数の業者に見積もりを依頼すると適正な予算を知れます。
修理に活用できる制度

修理に活用できる可能性がある制度は、以下のとおりです。
- 住宅リフォーム助成金
- 災害復旧支援
- 地域独自支援
水道管の修理費用は高くつく場合があるため、上記の制度を活用して負担を軽減できます。地域によっては独自の補助や助成金を設けている場合もあります。自治体のホームページのチェックや電話での問い合わせなどで、活用できる制度を事前にチェックしましょう。
火災保険による補償

火災保険は火事だけでなく、水損事故に対しても補償される場合があります。水損補償は家財に被害をもたらした水道管の破裂などによる損害をカバーするものです。ただし、補償を受けるためには、事故の状況を詳しく記録し、保険会社に迅速に連絡する必要があります。
補償範囲や適用条件は保険契約によって異なるため、保険証券の内容確認をしましょう。特定の条件下での水道管破裂は、補償対象外になる場合があるので注意が必要です。保険金請求時には、修理見積もりや損害の写真などの証明資料が必要になる場合があります。
火災保険・共済の申請フロー
水道管が破裂して発生する水濡れ被害は、火災保険の「水濡れ補償」や共済の類似補償でカバーされることがあります。ただし、契約内容によって補償範囲や適用条件が異なるため、まずは保険証券を確認しましょう。
保険金請求の基本的な流れは次の通りです。
- 保険会社へ連絡
事故が発生したらすぐに保険会社に報告します。 - 必要書類の準備
保険会社の指示に従い、修理見積書・被害写真・罹災証明書などの書類を用意します。 - 保険会社の調査
必要に応じて、保険会社の担当者や鑑定人が現地調査を行います。 - 保険金の支払い
審査が完了すると、保険金が支払われます。
修理を依頼する前に、必ず保険会社へ連絡し、必要な手続きや書類を確認しておくとスムーズです。
破裂時の飲み水・生活水の安全確保

水道管が破裂すると、断水したり、水が濁ったりして、飲み水や生活用水の確保が難しくなることがあります。いざという時のために、安全な水の確保方法を知っておきましょう。
- 濁り水の対処
- 給水車・ペットボトル備蓄
濁り水の対処
水道管が破裂し修理が完了した後も、しばらくの間は水道水に濁りやサビが混じることがあります。これは管内のサビや汚れが、水の流れの変化で剥がれ落ちることが原因です。
濁り水が出ている間は、飲用はもちろん、洗濯や食器洗いへの使用も控えましょう。一定時間水を流し続けると次第に透明になりますが、改善しない場合は修理を依頼した業者や水道局に問い合わせることをおすすめします。浄水器を設置している場合は、フィルターが詰まりやすくなるため、こまめな点検が必要です。
給水車・ペットボトル備蓄
大規模な断水が発生した際は、自治体が給水車を派遣し応急給水を行う場合があります。日頃から自治体の防災情報を確認し、給水場所や時間を把握しておくと安心です。
普段から飲料水を備蓄しておくことも重要です。最低3日分、可能であれば1週間分を目安にペットボトルの水を準備しておくと心強い備えになります。生活用水としては、お風呂の残り湯をためておくなど、身近な工夫も役立ちます。
水道管の破裂に関するよくある質問

水道管の破裂は突然起こるケースが多いですが、前兆や対応方法を知ることで、被害を最小限に抑えることが可能です。水道管の破裂に関する以下の質問に回答します。
- 水道管が破裂する前に前兆はある?
- 水道管の破裂は自分で修理できる?
- 修理後も漏水が続く場合はどうする?
- 水道管の破裂を放置してしまった場合の対処法は?
水道管が破裂する前に前兆はある?
水道管が破裂する前に起こる前兆は、以下のとおりです。
急に水圧が高くなったり低くなったりすると、水道管に負担がかかり、破裂のリスクが高まります。見えない場所での水漏れは、気づきにくいですが、壁や床が湿っている場合は要注意です。普段と変わらない生活をしているのに、急に水道料金が高くなる場合は、水漏れが原因の可能性があります。
さびた水道管は強度が弱くなり、破裂しやすくなるため、さびや腐食の進行も見逃せません。普段なら聞こえない音がしたり、水道管が振動したりする場合は、水道管内部に問題があると考えられます。水が濁ったり、異臭がしたりする場合も注意が必要です。
水道管の破裂は自分で修理できる?

水道管の破裂は自分で修理できる場合もあります。自分で修理を試みる場合は、以下の手順で行いましょう。
- 工具や材料の準備
- 水の元栓を閉める
- 破裂部分を特定し、防水テープで応急処置
破裂が大きい場合はパイプカッターで破損部分を切り取り、新しいパイプを取り付ける必要があります。配管を接続し直した後、水漏れがないか忘れずに確認しましょう。自分で修理する自信がない場合や修理が難しい場合は、専門業者に依頼するのがおすすめです。
修理後も漏水が続く場合はどうする?

修理後に漏水が続く場合は、再度水道業者に連絡し点検を依頼しましょう。水道メーターが回り続けている場合、どこかで水が漏れている可能性が高いです。修理した部分以外の配管も見直すことで、根本的な原因の特定につながります。赤外線カメラや音響装置などを使用すると、目に見えない部分の漏水も見つけやすいです。
完全に漏水が止まるまで修理を繰り返し行い、対策を続けましょう。漏水保険が適用されるか確認するのもおすすめです。保険が適用される場合、修理費用の一部をカバーできます。最悪の場合、配管全体の交換を検討する必要があります。
水道管の破裂を放置してしまった場合の対処法は?

水道管の破裂を放置してしまった場合は、速やかに被害範囲の確認と応急処置が必要です。速やかに水の供給を停止し、破裂部分を特定しましょう。被害を最小限に抑えるために、バケツやタオルを使って応急処置を行うことも重要です。破裂部分を特定したら、迅速に専門業社に連絡し修理を依頼します。
水害保険の確認と申請のために、被害範囲を確認し、必要に応じて保険会社へ連絡することも大切です。家財や設備の損害を評価し、修繕や交換を検討しましょう。水道管が破裂した原因を特定できると、再発防止にも役立ちます。
まとめ

水道管の破裂は急な事態であり、迅速な対応が必要です。まずは止水栓を閉めて水が出続けるのを防ぎ、応急処置としてテープを巻きます。水道局や業者に速やかに連絡して、対処してもらうのが無難です。破裂した水道管の症状は場所によって異なり、対策も原因によって変わります。
修理には費用が掛かるため、自治体の制度や保険の利用を検討しましょう。所要時間や金額は、状況に応じて変動するため見積もりを複数社に依頼することをおすすめします。正しい知識を持って、万が一の場合に備えましょう。