【要注意】ウォーターハンマーの衝撃音!放置すると配管破損の危険も…原因と対策を徹底解説!

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【要注意】ウォーターハンマーの衝撃音!放置すると配管破損の危険も…原因と対策を徹底解説!

蛇口を閉めた際に「ドンッ!」という大きな音が鳴った経験はありませんか? それはウォーターハンマー現象で、放置すると配管の破損や水漏れを引き起こし、高額な修理費用がかかる恐れがあります。ウォーターハンマーは、水の流れが急に止まることで配管内に衝撃圧が発生し、給湯器や洗濯機の使用時にも起こりやすいのが特徴です。放置すると騒音被害や設備の故障につながる可能性があるため、早めの対策が重要です。

この記事では、ウォーターハンマーの原因や発生メカニズム、具体的な対策方法をわかりやすく解説します。これを読むことで、ウォーターハンマーの予防策や効果的な対処法を理解し、安心して水まわりを使用できるようになります。結論として、ウォーターハンマーは水圧調整や配管の見直しで防げます!蛇口の開閉を工夫するだけでも軽減できるため、今すぐ実践してトラブルを未然に防ぎましょう!

ウォーターハンマーとは?

洗濯

ウォーターハンマーとは、配管内の水が急激に停止・加速することで発生する衝撃音や振動の現象です。英語では “Water Hammer” と呼ばれ、蛇口を急に閉めた際などに起こります。

この現象によって発生する大きな音は気になるものの、対策を後回しにすると、配管内部に負荷がかかり続けます。その結果、水漏れや器具の故障につながり、修理費用が高額になるリスクがあるため、早めの対応が重要です。

  • ウォーターハンマーの定義
  • ウォーターハンマーの発生メカニズム

ウォーターハンマーの定義

うるさい

ウォーターハンマーとは、水の流れが急に止まったり加速したりすることで、配管に強い圧力がかかり衝撃音が発生する現象です。水が勢いよく流れている最中に急停止すると、慣性の影響で配管が揺れ、「ドン!」という音が鳴ることがあります。

この現象は、水の運動エネルギーが突如として行き場を失い、配管内の圧力が急激に上昇することで起こります。さらに、配管内の空気量やバルブの状態が適切でないと、衝撃が吸収されず、より大きな音や振動を引き起こすこともあります。衝撃が強すぎると、配管やバルブが損傷するリスクも高まります。特に、水圧が高い地域や古い配管設備のある家庭では発生しやすいため、早めの点検や対策が重要です。

また、ウォーターハンマーは「ドン!」という大きな衝撃音を伴うのが特徴で、生活音よりも目立つ場合が多いです。この音が頻繁に聞こえる場合は、配管に問題が生じている可能性があるため、専門業者に点検を依頼することをおすすめします。

ウォーターハンマーの発生メカニズム

ウォータハンマーの発生のメカニズム
  1. 通常の水流
    配管内を水が一定の流速で流れている状態では、配管内の水圧と流量が安定しています。
  2. 急激なバルブ閉鎖
    バルブや蛇口を急に閉じると、水の流れが瞬時に止まりますが、運動している水には慣性があるため、その動きを続けようとします。このとき、水の流れが急に停止するため、配管の終点に圧力が集中します。
  3. 圧力波の発生
    水の流れが急停止したことによって、圧力波が配管全体に伝わり、その結果として水の逆流や衝撃が発生します。この圧力波がウォーターハンマーの音の原因です。
  4. 振動と音の発生
    圧力波が配管に衝撃を与えると、配管が振動し、壁などにぶつかることで「バン!」という音が鳴ります。この音がウォーターハンマーの特徴です。
  5. 圧力の減衰
    圧力波は徐々に減衰し、最終的に収まります。

ウォーターハンマーは、配管内の水流が急停止した際に圧力が急上昇することで発生します。この圧力の変動が配管に伝わり、振動や音として感じられます。特に高圧の水道システムでは、この現象が顕著に現れます。

配管の素材や設置環境も影響します。金属製の配管は音を伝えやすく、ウォーターハンマーが発生するとその音が大きくなる傾向があります。

ウォーターハンマーの種類と出やすい機器

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ウォーターハンマーは一口にいっても、発生する仕組みや影響は状況によって異なります。特に家庭や集合住宅では、日常的に使用する水回りの機器が原因となることが多いため、その特徴を知っておくことが重要です。まずは「どのような種類があるのか」「どの機器で起こりやすいのか」を整理して理解しておきましょう。

  • 閉止型(水栓・電磁弁の急閉)と水柱分離型(ポンプ停止等)の違い
  • 出やすい機器:全自動洗濯機・食洗機・瞬間式給湯器・電磁弁水栓
  • 症状の見分け方(発生タイミング/一発音vs連打音/振動の有無)

閉止型(水栓・電磁弁の急閉)と水柱分離型(ポンプ停止等)の違い

ウォーターハンマーには、主に「閉止型」と「水柱分離型」の2種類が存在します。原因が異なるため、どちらのタイプかを理解することが対策の第一歩です。

閉止型(水栓・電磁弁の急閉)
水の流れが急に止められることで発生します。蛇口を勢いよく閉めたり、洗濯機が自動で給水を止めたりする際に、行き場を失った水の運動エネルギーが圧力波に変わり、水道管に衝撃を与えます。これは、高速で走る車が急ブレーキをかけたときに乗員が前に投げ出される現象と似ています。家庭で発生するウォーターハンマーの多くがこのタイプです。
水柱分離型(ポンプ停止等)
ポンプが急停止した際に発生する現象です。ポンプが停止すると、ポンプから供給される流れが急激に減少し、流体は慣性によって下流に進もうとします。この結果、ポンプ直後で圧力が低下し、負圧が発生します。この負圧により、流体が水柱分離を起こし、周囲の流体が衝突することで衝撃音や振動が生じます。

出やすい機器:全自動洗濯機・食洗機・瞬間式給湯器・電磁弁水栓

ウォーターハンマーは、水を電子制御で急に止めたり出したりする「電磁弁」を使用している機器で特に発生しやすいです。ご家庭にある以下のような機器が主な原因となります。

  • 全自動洗濯機・食器洗い機(食洗機)
  • 瞬間式給湯器・ガス給湯器
  • シングルレバー混合水栓
  • センサー式の自動水栓

これらの機器は、内部の電磁弁がプログラムに従って瞬時に水の流れを開閉します。この急激な動作が、配管内の圧力を急上昇させ、衝撃音の原因となるのです。特に全自動洗濯機や食洗機は、運転中に何度も給水と停止を繰り返すため、ウォーターハンマーが連続して発生する傾向があります。シングルレバー水栓も、レバーを勢いよく倒すことで同様の現象を引き起こします。

これらの機器を使い始めたタイミングで異音が発生するようになった場合、その機器がウォーターハンマーの原因である可能性が非常に高いと言えます。原因となっている機器を特定することが、効果的な対策を講じるための重要な手がかりとなります。例えば、洗濯機の運転中にだけ「ドン!」という音が鳴るなら、洗濯機の給水系統に問題があると推測できます。

症状の見分け方(発生タイミング/一発音vs連打音/振動の有無)

ご自宅で発生している異音がウォーターハンマーなのか、そしてどのタイプなのかを判断するために、症状を注意深く観察することが重要です。以下のポイントで見分けることができます。

見分けるポイント閉止型ウォーターハンマー水柱分離型ウォーターハンマー
発生タイミング水栓を閉めた直後、洗濯機・食洗機の給水が止まった直後ポンプが停止した直後
音の種類「ドン!」「ガン!」という硬質で単発的な衝撃音「ガガガッ!」「ダダダッ!」という連続した打撃音や激しい振動音
振動の有無軽い振動、または振動は感じないことが多い家全体が揺れるような強い振動を伴うことがある
閉止型の場合
特定の機器を使用した直後に「ドン!」と一発だけ音が鳴るのが典型的な症状です。例えば、トイレの水を流し終わった後や、シングルレバー水栓を閉めた瞬間に発生します。壁の中から聞こえることが多く、軽い振動を感じることもあります。
水柱分離型の場合
マンションなどでポンプが停止した際に、より広範囲で「ガガガッ!」という連続音や激しい振動として現れることが多いです。音や振動が非常に大きく、他の部屋や階下の住人にも影響を及ぼす可能性があります。これらの特徴を元に、ご自宅の症状を客観的に把握し、原因究明と対策に役立ててください。

ウォーターハンマーが起こる主な原因

びっくり

ウォーターハンマーの主な原因は、水の急停止・急加速、配管の劣化や不備、高水圧などが挙げられます。これらの要因が重なると、衝撃音や振動がより強くなることがあります。また、住宅の築年数やリフォーム歴、水道の使用状況によって原因が異なるため、まずはどの要因が影響しているのかを正しく見極めることが重要です。

  • 給水・給湯時の急激な水流停止
  • 配管・バルブの設計不備・経年劣化
  • 高水圧や長い配管などの環境要因

給水・給湯時の急激な水流停止

最も多い原因は急な蛇口やバルブの閉鎖
ウォーターハンマーの主な原因は、蛇口やバルブを急に閉めた際に発生する衝撃です。水道水は一定の圧力で流れており、急に通路を塞ぐことで水の流れが遮断され、その反動によって大きな衝撃音が発生します。
原因:水の弾力性がないため
水には弾力がないため、流れている状態から急停止すると、その衝撃を吸収することができません。配管内を高速で流れる水が突然壁に衝突するような状態になり、一時的に高い圧力が発生することで、ウォーターハンマーが起こります。
特に注意が必要なケース
特に、給湯器が自動制御している洗濯機や食洗機などの機器は要注意です。これらの機器は急に水を止める動作を繰り返すため、配管への負担が増し、ウォーターハンマーの影響が強くなることがあります。

配管・バルブの設計不備・経年劣化

問題点

ウォーターハンマーの発生原因の一つに、配管やバルブの設計不備、または長年の使用による劣化が挙げられます。

設計不備による影響

急激に閉まるバルブの設置
バルブが急に閉まることで水流が一瞬で止まり、衝撃波が発生します。
不適切な配管レイアウト
配管の長さや曲がり角の配置が適切でないと、水流が不安定になり、ウォーターハンマーが発生しやすくなります。
緩衝装置の不足
圧力変動を緩和するエアチャンバーやダンパーが設置されていない場合、衝撃を吸収できず、問題が発生しやすくなります。

経年劣化による影響

配管の老朽化
古い配管ではサビや腐食が進み、水流の乱れが生じやすくなります。
バルブの摩耗
長年使用したバルブは、正常に開閉しなくなり、急激な水流変化を引き起こすことがあります。
支持金具の緩み
配管を固定する金具が劣化して外れると、振動が大きくなり、ウォーターハンマーが発生しやすくなります。

高水圧や長い配管などの環境要因

水道管内の圧力や配管の長さも、ウォーターハンマーの発生に大きく関与します。

高水圧が引き起こす問題

水流速度の増加
水圧が高いほど水流が速くなり、バルブを閉じた際に大きな衝撃が生じます。
高層建物でのリスク
マンションなどでは水圧を上げるための加圧装置が設置されていることが多く、その影響でウォーターハンマーが発生しやすくなります。

長い配管による影響

慣性力の増大
配管が長いと水の動きが止まりにくく、バルブを急に閉じた際に大きな圧力波が発生します。
途中の曲がり角や分岐点の影響
水の流れが急変しやすく、衝撃波が発生しやすくなります。

適正水圧の目安と自宅での測り方

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水道を快適に使うためには、水圧が適正範囲か確認することが大切です。ここでは、水圧の目安や高水圧のサイン、測定や調整の方法を解説します。

  • 一般家庭のの目安と高水圧のサイン
  • 水圧計の取り付け位置と測定手順
  • 一次対処:元栓・減圧弁での調整ポイント

一般家庭のの目安と高水圧のサイン

家庭用の水道における適正な水圧は、一般的に0.2~0.4MPa(メガパスカル)が目安とされています。この範囲内であれば、快適に水を使用でき、ウォーターハンマーなどのトラブルも起きにくいです。しかし、この水圧が高すぎると、配管や接続された機器に過度な負担がかかり、異音や故障の原因となります。ご自宅の水圧が高いかどうかは、いくつかのサインで判断できます。

  • 蛇口を少しひねっただけで水が勢いよく飛び散る
  • シャワーの水圧が強すぎて肌に痛みを感じる
  • 以前と比べて水道料金が急に高くなった
  • 家中の蛇口を閉めているのに、水道メーターのパイロット(銀色のコマ)が微かに回転している

これらのサインに心当たりがある場合、ご自宅の水圧が基準値を超えている可能性があります。特に、高台から低地に引っ越した場合や、近隣で大規模な水道工事があった後などは水圧が変化することがあります。水圧が高い状態を放置すると、ウォーターハンマーだけでなく、給湯器の安全弁が作動して水漏れを起こしたり、パッキンの劣化を早めたりするリスクも高まります。

水圧計の取り付け位置と測定手順

水圧計

ご自宅の正確な水圧を知るためには、水圧計を使って測定するのが最も確実です。水圧計はホームセンターやインターネット通販で数千円程度で購入できます。測定手順は比較的簡単で、DIYでも十分可能です。測定に適した場所は、屋外にある散水栓や、洗濯機用の蛇口など、ホースを接続できるタイプの水栓です。

【測定手順】

  1. 準備
    水圧計と、必要であれば水栓の口径に合うアタッチメントを用意します。
  2. 水栓を閉める
    測定する水栓が完全に閉まっていることを確認します。
  3. 水圧計の取り付け
    水栓の先端に、水圧計をねじ込んで取り付けます。このとき、工具を使って軽く締め付け、水漏れしないようにします。
  4. 水栓を開ける
    水圧計を取り付けたら、水栓をゆっくりと全開にします。
  5. 数値の読み取り
    水圧計の針が示した数値を読み取ります。この数値が現在の静水圧です。

測定は、宅内の他の蛇口をすべて閉めた状態で行ってください。どこかで水を使用していると正確な静水圧が測れないためです。測定結果が0.5MPaを超えるようなら、明らかに水圧が高い状態であり、減圧弁の設置などの対策を検討する必要があります。

一次対処:元栓・減圧弁での調整ポイント

水圧が高いことが確認できた場合、まず試せる一次対処として、水道メーター横にある元栓(止水栓)を少し閉める方法があります。これにより、家全体の水量を絞り、結果的に水圧を下げることができます。

ただし、この方法は注意が必要です。元栓を閉めすぎると、シャワーの出が悪くなったり、給湯器が正常に作動しなくなったりする可能性があります。調整する際は、誰かに宅内で水を出してもらいながら、適切な水量になるまで少しずつ、時計回りにゆっくりと元栓を回していくのがポイントです。一般的には、全開の状態から半回転〜1回転ほど閉めるだけで効果が見られることが多いです。

すでに減圧弁が設置されているご家庭の場合は、減圧弁で圧力調整が可能です。減圧弁は通常、水道メーターのすぐ後(宅内側)に設置されており、マイナスドライバーで調整ネジを回して設定圧力を変更できます。時計回りに回すと圧力が高くなり、反時計回りに回すと低くなります。調整する際も、水圧計で圧力を確認しながら、0.3MPa前後を目安に設定するのが理想的です。ただし、減圧弁の調整は専門知識を要する場合があるため、自信がない場合や、調整しても改善しない場合は無理をせず専門業者に相談しましょう。

ウォーターハンマーが引き起こすトラブル

影響

ウォーターハンマーは、水の流れが急激に変化することで発生する衝撃現象です。この現象は、住宅の配管や水回り設備に深刻な影響を及ぼすことがあります。本記事では、ウォーターハンマーによる主なトラブルとその対策について詳しく解説します。

  • 配管の破損・水漏れ
  • 騒音による生活への影響
  • 給湯器や蛇口などの設備の故障リスク

配管の破損・水漏れ

ウォーターハンマーを放置すると、配管が劣化し、水漏れのリスクが高まります。衝撃が繰り返されることで金属疲労が進み、亀裂や継ぎ手の緩みが発生するためです。

特に水圧や振動が強い場合、微細なヒビが広がり、水道代の増加や壁・床下の損傷につながります。壁裏の配管で水漏れが起こると、カビの発生や建材の腐食を招き、賃貸では修理費の負担が発生することもあります。早期対応が重要です。床下の湿気が異常に高い、水道メーターが使っていないのに動くなどの兆候があれば、配管の異常を疑い、すぐに原因を特定しましょう。

主なリスク

配管の破損
繰り返しの衝撃により、配管が亀裂を生じたり、最悪の場合は破裂することもあります。
水漏れの発生
破損した配管からの水漏れが発生し、建物内部の壁や床を損傷させる恐れがあります。
マンション・アパートの被害拡大
見えない箇所での水漏れは発見が遅れやすく、下階の住人にまで影響を及ぼすことがあります。

騒音による生活への影響

診断

ウォーターハンマーの大きな音が繰り返されると、ストレスが溜まり生活の質が低下します。特に夜間や早朝は、不安や睡眠不足の原因になりがちです。

高音が響くと驚きやすく、集合住宅では騒音トラブルにつながることもあります。賃貸物件では、隣室のウォーターハンマーが壁を通じて響き、ストレスの原因になるため、早めに原因を共有し、大家や管理会社に相談するのが賢明です。寝室近くの配管や給湯器の衝撃音は睡眠の妨げになります。快適な生活のためにも、早急に対策を講じることが重要です。

主な影響

騒音が周囲に響く
特に集合住宅では、上下階や隣の部屋にも音が伝わることがあります。
睡眠や生活リズムへの影響
深夜や早朝に水を使用した際、急な騒音がストレスの原因となることがあります。
近隣トラブルの発生
繰り返し発生する騒音が、近隣住民とのトラブルにつながるケースも。

給湯器や蛇口などの設備の故障リスク

ウォーターハンマーは給湯器や蛇口内部のバルブに大きな負担をかけ、故障のリスクを高めます。急激な圧力変化によってゴムパッキンが破損したり、バルブが正常に作動しなくなったりするためです。結果として、給湯器の寿命を縮める原因にもなります。

実際、適切な対策が施されていない環境では、給湯器が想定より早く故障するケースも少なくありません。修理や交換には高額な費用がかかるため、早めの対策が重要です。また、蛇口の水漏れや開閉不良もウォーターハンマーが一因となることがあります。日頃のメンテナンスで異常を感じたら、早めに専門業者に相談し、トラブルを未然に防ぎましょう。

影響を受ける設備

設備影響
給湯器内部のセンサーやバルブが衝撃を受けて故障し、温度調整ができなくなる可能性がある。
水道メーター圧力の変化で誤作動を起こし、正確な水量を計測できなくなることがある。
蛇口内部の部品が摩耗し、水漏れや操作不良の原因となる。

賃貸・集合住宅のトラブル対応(責任分界と連絡手順)

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集合住宅でウォーターハンマーが起きると、まず重要になるのが「誰が対応すべきか」という責任の分界です。専有部分と共用部分を正しく理解しないと、費用負担や連絡の流れでトラブルになる可能性があります。次に、基本的な責任範囲について確認していきましょう。

  • 責任分界:メーター以降(宅内)と共用部の切り分け
  • 管理会社・管理組合への伝え方(発生場所/時間/機器名)テンプレ
  • 夜間の騒音トラブル防止の初動(記録・張り紙・掲示板周知)

責任分界:メーター以降(宅内)と共用部の切り分け

賃貸マンションやアパートなどの集合住宅でウォーターハンマーが発生した場合、まず問題となるのが責任の所在です。どこまでが自分の責任(専有部)で、どこからが大家さんや管理組合の責任(共用部)なのかを正しく理解しておく必要があります。

一般的に、玄関ドアの内側にある水道メーターまでが共用部、メーターから宅内側の配管や蛇口、給湯器などが専有部とされています。

専有部(入居者責任)
蛇口、シャワー、トイレの給水管、給湯器、洗濯機置き場の水栓など、お部屋の中にある設備。
共用部(大家・管理組合責任)
水道本管から各戸の水道メーターまでの配管、給水ポンプ、受水槽など。

したがって、特定の蛇口を閉めた時だけに発生するウォーターハンマーは専有部の問題である可能性が高く、入居者の責任で対処(または費用負担)することになります。一方で、建物全体で異音がしたり、ポンプ室付近から振動が伝わってきたりする場合は、共用部の問題である可能性が高く、管理会社や大家さんに連絡して対応を依頼すべき事案となります。

この切り分けを誤ると、自分で業者を手配したのに費用が自己負担になったり、対応が遅れたりする原因になります。まずは「いつ、どの蛇口を使ったときに、どんな音が鳴るか」を正確に把握し、問題の箇所が専有部か共用部かを判断することが、スムーズな解決への第一歩となります。不明な場合は、自己判断で業者を呼ぶ前に、必ず管理会社へ相談しましょう。

管理会社・管理組合への伝え方(発生場所/時間/機器名)テンプレ

管理会社や大家さんにウォーターハンマーの状況を報告する際は、問題の状況を具体的かつ客観的に伝えることが重要です。口頭だけでなく、メールや書面で記録を残すことをお勧めします。以下のテンプレートを参考に、ご自身の状況に合わせて内容を修正してご使用ください。

件名: ウォーターハンマー(水道管からの異音)に関するご相談(〇〇号室 氏名)

本文:

〇〇マンション管理組合(または大家様、管理会社様)

いつもお世話になっております。

〇〇号室に入居しております、〇〇(氏名)と申します。

先日より、室内の水道管から異音(ウォーターハンマー現象)が発生しており、ご相談させていただきたくご連絡いたしました。

つきましては、以下の状況をご確認いただき、ご対応についてご検討いただけますでしょうか。

  1. 発生日時:

(例:〇月〇日頃から、特に夜間21時〜23時頃に頻繁に発生)

  1. 発生場所:

(例:洗濯機置き場付近の壁、浴室の天井裏など)

  1. 異音の詳細:

(例:「ドン!」という壁を叩くような単発の衝撃音)

  1. 発生のタイミング:

(例:洗濯機が給水を止めた直後、トイレの水を流し終わった直後に必ず発生します)

  1. その他(被害・懸念事項):

(例:音が大きく、夜間は特に響くため安眠できません。配管の破損につながらないか懸念しております。)

お忙しいところ恐縮ですが、一度状況をご確認いただくことは可能でしょうか。

ご連絡をお待ちしております。

部屋番号: 〇〇号室

氏名: 〇〇 〇〇 連絡先: 090-XXXX-XXXX

夜間の騒音トラブル防止の初動(記録・張り紙・掲示板周知)

ウォーターハンマーの衝撃音は壁を伝わって響きやすく、特に静かな夜間には隣接する住戸との騒音トラブルに発展する可能性があります。被害者であると同時に、意図せず加害者になってしまうことを避けるためにも、慎重な対応が求められます。

まず最も重要なのは、騒音の「記録」です。スマートフォンなどで異音が発生した日時と音の様子を動画で録画しておきましょう。これは管理会社に状況を正確に伝えるための客観的な証拠になると同時に、万が一、近隣から苦情が来た際に、原因究明に動いていることを示す材料にもなります。記録は一度だけでなく、複数回、異なる時間帯で取っておくとより効果的です。

次に、可能であれば「周知」も検討します。もし両隣や階下の住人の方と良好な関係が築けているのであれば、「近頃、うちの水道から変な音がしていて、ご迷惑をおかけしているかもしれません。今、管理会社に相談しているところです」と一言伝えておくだけで、相手の心証は大きく変わります。ただし、これは関係性によるため、無理に行う必要はありません。管理会社への相談が「初動」として最も確実な対策です。騒音が原因で近隣から苦情が来た場合も、まずは謝罪し、現在管理会社に対応を依頼している旨を誠実に伝えましょう。

ウォーターハンマーの対策・予防方法

聴覚

ウォーターハンマーは、配管内の水流が急激に変化することで発生する衝撃現象です。この現象を防ぐためには、適切な対策を講じることが重要です。ここでは、効果的な予防策について詳しく解説します。

  • 水圧を適正化する
  • 配管の見直し・緩衝装置の導入
  • エアチャンバー(空気室)を設置する
  • 蛇口やバルブの開閉をゆっくり行う習慣
  • 減圧弁:高水圧常態の平準化(家庭の体感改善+水撃低減の副次効果)
  • 水撃防止器(アレスタ):急閉対策の本命(電磁弁機器の直近設置が原則)
  • サージタンク/空気弁/リリーフ弁:ポンプ系の対策
  • “効かない”典型例(設置位置・容量不足・プリチャージ不良)
  • メンテと寿命:ダイヤフラム/ブラダー式、プリチャージ点検の重要性

水圧を適正化する

水圧を適正に保つには減圧弁の設置が有効です。水圧が高いままだとウォーターハンマーのリスクが減りません。

減圧弁で水圧を0.2〜0.3MPa(約29〜44psi)に調整すると、配管への負担が軽減されます。一戸建ての場合、水圧計で現状を確認し、水圧が高ければ減圧弁の設置を検討しましょう。費用の目安は数万円程度です。大掛かりな工事を避けるなら、蛇口をゆっくり開閉する習慣をつけるだけでも、水圧の衝撃を和らげる効果が期待できます。

水圧を適正に保つ

水圧が高すぎるとウォーターハンマーが発生しやすくなります。以下の方法で適正な水圧を維持しましょう。

水圧の測定
家庭や施設の水圧をチェックし、適正範囲0.2〜0.3MPa(約29〜44psi)を超えていないか確認する。
減圧弁の設置
水圧が高い場合は減圧弁を導入し、適正な圧力に調整する。
元栓の調整
元栓を少し絞ることで水圧を下げる。ただし、急激な調整は避ける。

配管の見直し・緩衝装置の導入

視覚

古い配管の交換やウォーターハンマー・アレスター(衝撃吸収器)の導入が効果的です。これにより、水流の変化による負担を軽減し、衝撃を吸収できます。配管が老朽化していたり、設計に問題がある場合は、減圧弁だけでは根本的な解決にはなりません。配管自体の構造を見直し、振動しにくい設計にすることが重要です。

主な対策

測定・調整の基本手順(止水栓・減圧弁)
ホース口に水圧計を接続して静水圧を測定します。高すぎる場合は止水栓で微調整し、改善しなければ減圧弁(PRV)で0.2〜0.3MPaに設定。電磁弁など急閉がある系統では水撃防止器(アレスタ)を発生源近くに追加します。
減圧弁とアレスタの違い(目的と設置)
⚪︎ 減圧弁:上流が高圧でも下流を一定圧に保つ装置。平常時の過大圧から機器を保護。
⚪︎ アレスタ急閉時の圧力波(ウォーターハンマー)を瞬間吸収する緩衝器発生源直近への設置が基本。
両者は役割が異なるため、併用が前提です。
配管の材質や径の見直し
配管自体の構造を見直し、振動しにくい設計にすることが重要です。

これらを組み合わせると、より高い効果が期待できます。初期費用はかかりますが、水漏れや騒音リスクの軽減により、長期的にはコスト削減につながるでしょう。施工を依頼する際は、配管工事の実績が豊富な業者を選ぶのがおすすめです。複数の見積もりを取り、アフターサポートも確認したうえで依頼しましょう。

KAKUDAI 792-643 水撃吸収水栓上部

ボンぱ

エアチャンバー(空気室)を設置する

カクダイ 水撃防止器 ボンパミニ 水栓上部型 643-802

ぼんぱ2

カクダイ 水撃防止器 ボンパミニ 配管取付型 643-502

ボンパミに

ウォーターハンマーの衝撃を抑えるには、配管にエアチャンバーを設置するのが有効です。空気が水圧の急上昇を吸収し、振動を和らげる仕組みだからです。

エアチャンバーは安価で導入しやすく、既存の配管にも後付け可能ですが、定期的なメンテナンスが必要です。空気が水に溶けると機能しなくなるためです。DIYで取り付けることもできますが、水漏れや誤作動のリスクを考えると業者に依頼したほうが安心です。バルブ付近やポンプの出口など、衝撃が大きい箇所に適切に設置しましょう。

エアチャンバーの役割
配管内に空気層を作り、圧力変化を緩和。
エアチャンバーの種類とメンテ
ダイヤフラム/ブラダー式は水と気体を隔膜で分離するため、空気が水へ溶け込んで効かなくなる問題を抑えられます。プリチャージ圧の定期点検(再充填/交換可否の確認)を運用に組み込みましょう。
設置場所
蛇口や給水バルブの近くに設置することで効果を最大化。
メンテナンス
長期間使用すると空気が抜けるため、定期的なメンテナンスが必要。

蛇口やバルブの開閉をゆっくり行う習慣

基準

水を止める際の動作をゆるやかにするだけで、ウォーターハンマーの発生を大幅に抑えられます。急に蛇口を閉めると配管内の圧力が急変し、衝撃が生じやすいためです。

特にレバー式蛇口を素早く閉めるクセがある場合は注意が必要です。蛇口やシャワーを閉める際は、最後の数センチをゆっくり動かすと効果的です。洗濯機や食洗機など自動停止する機器には別途対策が必要ですが、手動操作の工夫だけでも負担を軽減できます。日頃から家族全員が意識して操作すれば、配管の寿命を延ばし、ウォーターハンマーによる騒音やトラブルを防ぐことができます。

ゆっくり開閉する
蛇口やバルブを急に開けたり閉めたりせず、徐々に操作する。
レバー式蛇口に注意
レバー式は急激に閉めやすいため、意識的にゆっくり操作する。
家族全員で共有
家庭内でこの習慣を徹底することで、トラブルを未然に防ぐ。

減圧弁:高水圧常態の平準化(家庭の体感改善+水撃低減の副次効果)

減圧弁は、水道本管から送られてくる高い水圧を、家庭での使用に適した安全な圧力に「減圧」するための装置です。水道メーターの直後に設置するのが一般的で、家全体の水圧を一定に保つ役割を果たします。ウォーターハンマー対策において、減圧弁は根本的な原因である「高すぎる水圧」を是正するための最も基本的な装置と言えます。

水圧が高すぎると、同じ量の水を止める際にもより大きな圧力変動が生じ、ウォーターハンマーの衝撃が大きくなります。減圧弁によって水圧を適正値(0.2〜0.4MPa程度)に平準化することで、電磁弁などが急に閉止した際の圧力上昇を緩和し、ウォーターハンマーの発生を大幅に抑制できます。これは、速い球をキャッチするより、遅い球をキャッチする方が衝撃が少ないのと同じ原理です。

減圧弁の設置は、ウォーターハンマーの低減だけでなく、「シャワーの肌触りが柔らかくなる」「節水効果がある」「給湯器や水栓器具の寿命を延ばす」といった副次的なメリットもあります。ただし、減圧弁はあくまで家全体の水圧を下げるものであり、特定の機器だけが原因で発生する急激な圧力波を完全に吸収するものではありません。そのため、減圧弁を設置しても症状が改善しない場合は、次に紹介する水撃防止器との併用が必要になります。

水撃防止器(アレスタ):急閉対策の本命(電磁弁機器の直近設置が原則)

水撃防止器(ウォーターハンマーアレスター)は、ウォーターハンマーの衝撃(圧力波)をピンポイントで吸収するための装置です。内部にピストンやゴム製のダイヤフラム、空気室などがあり、これらがクッションの役割を果たして圧力波を瞬時に吸収・緩和します。

水撃防止器の最も重要なポイントは「設置位置」です。圧力波は発生源から最も近い場所で吸収するのが最も効果的であるため、洗濯機や食洗機など、原因となっている機器の給水栓の直近に設置する必要があります。壁内配管の途中に設置しても、発生源から距離が離れていると効果が半減してしまいます。市販されている製品には、水栓の先端に簡単に後付けできるタイプも多く、DIYでの設置も可能です。

もう一つの重要なポイントは「容量選定」です。水撃防止器には吸収できる圧力の容量があり、配管の口径や水圧、原因となっている機器に応じて適切なサイズを選ぶ必要があります。例えば、家庭用の洗濯機であれば小型のもので十分ですが、複数の機器が同時に作動する可能性がある場合や、業務用機器の場合はより大きな容量が必要になります。容量が不足していると、衝撃を吸収しきれずに効果が得られません。製品の仕様書やメーカーのウェブサイトで適用配管や推奨される用途を確認し、状況に合ったものを選定することが不可欠です。

サージタンク/空気弁/リリーフ弁:ポンプ系の対策

閉止型のウォーターハンマー対策が減圧弁や水撃防止器であるのに対し、ポンプの急停止などによって発生する「水柱分離型」のウォーターハンマーには、より大規模な装置が必要となります。これらは主にマンションのポンプ室や工場のプラントなどで使用される専門的な設備です。

サージタンク(圧力タンク)
配管の途中に設けられる大きなタンクで、圧力の急激な変動をタンク内の空気圧や水量の増減によって吸収します。配管内の圧力が急降下した際には水を供給し、水柱分離を防ぎます。
空気弁
配管内の圧力が負圧(大気圧より低い状態)になった際に、自動で外部から空気を取り込み、真空状態になるのを防ぎます。これにより、水柱分離の発生を抑制します。逆に、配管内に空気が溜まった場合は自動で排出する機能も持ち合わせています。
リリーフ弁(安全弁)
配管内の圧力が設定された上限値を越えた場合に、自動で弁が開き、内部の水を外部に排出して圧力を逃がす装置です。ウォーターハンマーによる異常な圧力上昇から配管や機器を保護します。

これらの装置は、個人の住宅に設置されることは稀で、主に集合住宅の給水設備や工業用ポンプ設備に組み込まれています。もしご自宅がマンションなどで、建物全体で振動を伴うような激しいウォーターハンマーが発生している場合は、これらの共用部設備の不具合や設定ミスが原因である可能性が高いため、速やかに管理会社へ連絡し、専門家による点検を依頼する必要があります。

“効かない”典型例(設置位置・容量不足・プリチャージ不良)

ウォーターハンマー対策として装置を設置したにもかかわらず、全く効果がない、あるいは症状が悪化したというケースがあります。その原因の多くは、装置の選定や設置方法の誤りにあります。

最も多い失敗例が、水撃防止器の「設置位置の間違い」です。前述の通り、水撃防止器は原因となっている機器の直近に取り付けなければ効果がありません。例えば、洗濯機が原因なのに、遠く離れた水道メーターの近くに設置しても、発生した圧力波がそこまで届く前に配管を叩いてしまうため、ほとんど意味がありません。必ず、電磁弁を備えた機器の給水栓のすぐ手前に設置してください。

次に多いのが「容量不足」です。特に水圧が非常に高い地域や、複数の水栓を同時に使用する環境で、家庭用の小さな水撃防止器を一つ設置しただけでは、衝撃を吸収しきれないことがあります。症状が改善しない場合は、より容量の大きいモデルへの交換や、複数箇への設置を検討する必要があります。また、サージタンクやアキュムレータなどの空気圧を利用する装置では、「プリチャージ圧の不良」も原因となります。内部に封入されている空気や窒素ガスの圧力が、配管の常用圧力に対して不適切だと、正常に機能しません。これは専門家による調整が必要です。

メンテと寿命:ダイヤフラム/ブラダー式、プリチャージ点検の重要性

ウォーターハンマー対策装置は、一度設置すれば永久に使えるわけではなく、定期的なメンテナンスと交換が必要です。特に、内部にゴム製の膜(ダイヤフラム)や袋(ブラダー)を使用して水と空気を隔てているタイプの装置は、経年劣化を避けられません。

これらのゴム部品が劣化して硬化したり、破れたりすると、衝撃を吸収するクッション機能が失われ、ウォーターハンマーが再発します。水撃防止器や小型の圧力タンク(アキュムレータ)がこのタイプに該当します。点検の要点としては、まず異音の再発がないか日常的に確認することです。以前は収まっていた音がまた鳴り始めたら、装置の劣化を疑うべきサインです。

より専門的な点検としては、プリチャージ圧の確認があります。装置にエアバルブが付いているタイプであれば、エアゲージを当てて封入圧力が規定値に保たれているかを確認します。圧力が著しく低下している場合は、内部のガスが抜けているか、ブラダーが破損している可能性があります。製品によって異なりますが、これらの装置の寿命は一般的に5年~10年程度とされています。効果が薄れてきたと感じたら、専門業者に点検を依頼し、必要であれば新しいものに交換することを推奨します。

基準・法令と設計の要点(一次情報まとめ)

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ウォーターハンマーの発生を防ぐためには、法令で定められた基準を守りつつ、設計段階からの配慮が欠かせません。給水装置の性能要件や工事に関するルールは厚生労働省令や水道法によって明確に定められており、建築士や設備業者はこれらを遵守する必要があります。ここからは、設計で重視すべき水撃限界性能、工事を依頼できる範囲、さらに配管の支持や防振といったチェックポイントについて、具体的に解説していきます。

  • 水撃限界性能と設計での配慮事項
  • 給水装置工事の扱いと「指定給水装置工事事業者」への依頼範囲
  • 配管支持・防振・逆止弁のチェックリスト

水撃限界性能と設計での配慮事項

建物の給水設備を設計する際には、ウォーターハンマーによる圧力上昇を考慮に入れることが法令や基準で定められています。具体的には、給水装置の構造及び材質の基準に関する省令(厚生労働省令)において、水撃作用によって生じる圧力がかかった際に「水が漏れず、変形、破損その他の異常を生じない」性能を持つことが求められています。

設計段階での配慮事項として、まず配管内の流速を適切に保つことが挙げられます。流速が速すぎると、水を止めた際の衝撃が大きくなるため、配管の口径を適切に選定し、流速を1.5m/s〜2.0m/s以下に抑えるのが一般的です。また、配管の経路は、できるだけ曲がりを少なくし、急な方向転換を避けるように設計されます。

さらに、電磁弁のように急閉鎖する可能性のある機器を設置する場合は、あらかじめ水撃防止器を設置することが推奨されています。特に、近年の節水型機器は水の流れをより急激に遮断する傾向があるため、設計段階での対策の重要性が増しています。これらの基準や配慮は、主に建築士や設備設計者が遵守すべきものですが、こうした背景を知っておくことは、リフォームなどで業者と打ち合わせをする際に、適切な施工を求める上で役立ちます。

指定給水装置工事事業者に依頼すべき工事範囲

水道法により、給水装置の新設や変更、修繕といった工事は、地方公共団体の水道事業者が指定した「指定給水装置工事事業者」でなければ行ってはならないと定められています。これは、安全で衛生的な水の供給を確保し、不適切な工事による漏水や汚染を防ぐための重要なルールです。ウォーターハンマー対策において、専門業者への依頼が必須となる工事範囲は以下の通りです。

  • 減圧弁の新規設置や交換
  • 壁の中や床下を通っている配管への水撃防止器の設置
  • 水道メーター以降の配管の引き直しや経路変更
  • 給湯器の交換に伴う配管工事

これらの工事は、配管の切断や接続といった専門技術を要し、資格を持った技術者が行わなければなりません。一方、洗濯機や食洗機の水栓の先端に後付けするタイプの水撃防止器の取り付けは、DIYで行っても問題ありません。どこまでが自分でできて、どこからが専門業者の範囲なのかを正しく理解し、法令を遵守することが大切です。無資格で工事を行うと、漏水事故などを起こした場合に保険が適用されないなどの大きなリスクを伴います。

配管支持・防振・逆止弁のチェックリスト

ウォーターハンマーの衝撃音は、圧力波そのものだけでなく、その衝撃によって配管が振動し、壁や建物の構造体にぶつかることで増幅される場合があります。そのため、配管が適切に固定(支持)されているかどうかも重要なチェックポイントです。

【配管支持・防振チェックリスト】

配管の固定間隔は適切か?
配管は、規定の間隔(管の種類や口径によるが、一般的に1m〜2mごと)で支持金具によって壁や天井にしっかりと固定されている必要があります。支持間隔が広すぎると、配管が振動しやすくなります。
支持金具は緩んでいないか?
長年の振動で支持金具のネジが緩んでいることがあります。目視で確認し、緩みがあれば増し締めが必要です。
防振対策はされているか?
ポンプの近くや、壁を貫通する部分など、振動が伝わりやすい箇所には、防振ゴムやスリーブ(さや管)などが適切に使用されているか確認します。
また、「逆止弁(チャッキ弁)」の不具合が異音の原因になることもあります。逆止弁は水の逆流を防ぐための部品ですが、急に閉まるタイプの逆止弁(スイングチャッキ弁など)がウォーターハンマーのような衝撃音(チャタリング)を発生させることがあります。音が逆止弁付近から聞こえる場合は、静かに閉まるタイプの逆止弁(ソフトチャッキ弁など)への交換も有効な対策となります。

ウォーターハンマーの修理・対処にかかる費用相場

視覚

ウォーターハンマーは、配管内の水流が急に停止することで発生する衝撃音や振動の現象です。この現象を放置すると、配管や設備にダメージを与える恐れがあります。ここでは、ウォーターハンマーの修理や対策にかかる費用相場について詳しく解説します。

  • DIYで対処できる範囲とリスク
  • 専門業者へ依頼する場合の流れと費用目安

DIYで対処できる範囲とリスク

メンテ

蛇口のパッキン交換やエアチャンバーの取り付けはDIYでも対応可能です。ただし、配管工事が必要な場合は、専門知識や資格が求められるため注意が必要です。

DIYでできること
ウォーターハンマー抑制デバイスの取り付けは、ホームセンターで購入でき、比較的簡単に行えます。費用も数千円〜1万円程度に収まることが多いです。
専門業者が必要なケース
配管の切断や溶接、給湯器内部の点検などは資格が必要で、誤った施工による水漏れや故障のリスクが高まります。難しそうな場合は無理をせず、早めに専門業者に依頼しましょう。

DIYでできる主な対策

配管の固定
緩んだ配管をしっかり固定することで振動を軽減できます。クランプやストラップを使用すると効果的です。
水撃防止器の設置
ウォーターハンマーアレスト(防止器)を設置することで、水圧の衝撃を吸収し、騒音を軽減できます。
蛇口の開閉を工夫する
蛇口を急に閉めず、ゆっくり閉めることで水流の急激な変化を抑えられます。

カクダイ 水撃防止器 ボンパミニ 水栓上部型 643-802

ぼんぱ2

カクダイ 水撃防止器 ボンパミニ 止水栓補助型 643-402

ボンぱ3

DIYのリスク

誤った作業による悪化
適切な対策をしないと、逆にトラブルが深刻化する可能性があります。
法律上の問題
配管の分解や給湯器関連の作業は、水道法で認定工事店による施工が必要とされています。無資格での施工は違法となる可能性があるため、注意が必要です。
修理費用が増加する可能性
DIYに失敗すると、結果的に専門業者への修理依頼が必要になり、余計な費用が発生することがあります。

専門業者へ依頼する場合の流れと費用目安

引き渡し

業者に依頼する場合、まず現地調査を行い、見積もりを確認した上で施工が進められます。ウォーターハンマーの原因特定から配管交換まで、一括で任せられるのが大きな利点です。

経験豊富な業者ほど原因を的確に見極め、最適な対策を提案できます。費用は工事内容によって異なり、緩衝装置の設置やバルブ交換なら数万円〜十万円程度、大規模な配管リニューアルでは数十万円以上かかることもあります。特に築年数の古い物件や複数の設備が関係する場合は、早めに計画を立て、必要ならリフォームローンも検討しましょう。依頼時は複数の業者に見積もりを取り、費用を比較するのがおすすめ。アフターフォローや保証内容を確認し、水漏れなどの再発トラブルにも備えてください。

依頼の流れ

現地調査と診断
⚪︎ 業者が配管の状態を確認し、ウォーターハンマーの原因を特定します。
⚪︎ 調査費用は無料の業者もあります。
見積もりの提示
⚪︎ 必要な修理内容と費用の見積もりが提示されます。
⚪︎ 相場費用:15,000円〜30,000円(修理内容による)
修理作業の実施
⚪︎ 見積もりに同意後、修理が開始されます。
⚪︎ 主な作業内容:
   水撃防止器の設置(15,000円〜30,000円)
   配管の補強・交換(30,000円〜65,000円)
アフターケアと確認
⚪︎ 修理後、業者が配管の状態を再確認し、問題が解決されたことを確認します。
⚪︎ 今後のメンテナンス方法についてのアドバイスを受けることも可能です。

修理業者の選び方

費用の詳細

費用
項目費用相場
現地調査・診断無料〜3,000円
水撃防止器の設置15,000円〜30,000円
配管の補強・交換30,000円〜65,000円
基本作業料金2,000円〜4,000円
出張費0円〜4,000円
深夜・休日料金3,000円〜10,000円
追加部品代部品による
古い部品の処分費用3,000円〜10,000円

修理業者に費用の見積もりを依頼する際に気をつけるポイント

業者に依頼するメリット

  • 専門知識に基づいた確実な修理が可能
  • 作業保証がつくケースが多く、安心感がある
  • 長期的なトラブル防止につながる

ウォーターハンマーの症状が頻発している場合や、DIYでの対応が難しい場合は、専門業者へ依頼することをおすすめします。適切な処置を行うことで、配管トラブルを防ぎ、安心して水回りを使用できるようになります。

相見積もりで聞くべき5項目

Five-things-to-ask-when-comparing-quotes

ウォーターハンマー対策の工事を業者に依頼する際は、必ず複数の業者から見積もり(相見積もり)を取り、内容を比較検討することが重要です。その際に、ただ金額を比べるだけでなく、以下の5つの項目について必ず質問し、納得のいく説明を得られる業者を選びましょう。

  • 発生源の仮説と測定実施の有無
  • 装置容量・型式の根拠
  • 施工範囲と保証(再発時の対応条件)
  • 工期・養生・生活影響
  • 総額内訳(部材/手間/出張/再訪)

発生源の仮説と測定実施の有無

まず、業者が現状をどのように分析しているかを確認します。「おそらく〇〇が原因でしょう」という憶測だけでなく、その結論に至った根拠を尋ねてください。

【質問例】
「我が家のウォーターハンマーの主な原因は何だとお考えですか?そのように判断された理由や根拠を教えてください。また、対策を立てるにあたり、水圧測定などの現地調査は行っていただけるのでしょうか?」
信頼できる業者
状況を丁寧にヒアリングし、「洗濯機の電磁弁による急閉が原因で、水圧も高めである可能性が考えられます。まずは水圧を測定し、数値を元に最適な対策をご提案します」といったように、論理的な説明をしてくれます。現地調査や測定もせずに、いきなり高価な工事を勧めてくる業者には注意が必要です。

装置容量・型式の根拠

次に、提案された対策装置(減圧弁や水撃防止器など)がなぜそのモデルなのか、その選定理由を確認します。

【質問例】
「ご提案いただいた〇〇(装置名・型式)を選定された理由を教えてください。我が家の配管口径や水圧、家族構成に対して、この装置の容量は適切なのでしょうか?より安価な、あるいは高性能な他の選択肢はありますか?」
信頼できる業者
測定した水圧や配管の状況、原因となっている機器の種類などを考慮して、最適な容量や性能を持つ装置を選定するはずです。その選定根拠を明確に説明できない業者は、単に在庫のある製品や利益率の高い製品を勧めているだけの可能性があります。複数の選択肢を示し、それぞれのメリット・デメリットを説明してくれる業者が望ましいです。

施工範囲と保証(再発時の対応条件)

工事の内容と、工事後の保証について、書面で明確にしてもらうことが非常に重要です。特に、症状が改善しなかったり、再発したりした場合の対応は、契約前に必ず確認してください。

【質問例】
「今回の工事範囲は具体的にどこからどこまでになりますか?また、工事後の保証期間は何年でしょうか。もし、工事後に症状が改善しなかった場合や、一定期間内に再発した場合は、どのような対応(無償での再調査・追加工事など)をしていただけますか?その条件を書面でいただけますか?」
信頼できる業者
「言った・言わない」のトラブルを避けるため、保証内容は必ず見積書や契約書に明記してもらいましょう。「やってみないと分からない」「保証はない」といった曖昧な返答をする業者は避けるべきです。誠実な業者であれば、施工内容に自信を持ち、適切な保証条件を提示してくれます。

工期・養生・生活影響

工事期間中、どの程度の時間断水するのか、大きな音は出るのかなど、日常生活への影響についても事前に確認しておく必要があります。

【質問例】
「工事の期間はどのくらいかかりますか?工事中の断水時間はどの程度を予定していますか?また、工事に伴う騒音や振動、室内が汚れる可能性はありますか?床や壁を保護する養生はしっかり行っていただけますか?」
信頼できる業者
特にマンションの場合、工事車両の駐車場所や、共用部での作業許可など、管理組合への事前申請が必要になることもあります。工事の段取りや周辺への配慮について、きちんと計画を立てて説明してくれるかどうかも、業者を見極める良い判断材料になります。

総額内訳(部材/手間/出張/再訪)

最終的な見積金額の内訳を詳細に確認し、不明瞭な項目がないかをチェックします。

【質問例】
「見積書の総額について、内訳を詳しく教えてください。『工事一式』ではなく、部品代、技術料(手間賃)、出張費など、項目ごとに金額を記載していただけますか?また、見積もり以外に追加で費用が発生する可能性はありますか?」
信頼できる業者
「一式」といった大雑把な見積もりではなく、各項目が明記されている「詳細見積もり」を提出してもらいましょう。これにより、何にいくらかかっているのかが明確になり、他社の見積もりとも比較しやすくなります。また、「再訪費」や「駐車場代」など、後から追加請求されがちな費用についても、あらかじめ見積もりに含まれているかを確認しておくことがトラブル防止につながります。

ウォーターハンマーに関するよくある質問

  • ウォーターハンマーと似た音との見分け方
  • すぐに実践できる応急処置はある?
  • 対策後も症状が続く場合の原因と確認ポイント
  • 洗濯機・食洗機でだけ鳴るのはなぜ?(電磁弁の急閉対策)

ウォーターハンマーと似た音との見分け方

ウォーターハンマーは、水の流れが急に停止することで配管内に圧力がかかり、発生する衝撃音です。一般的に「ドン」や「コン」といった突発的な音が特徴で、水道の蛇口を急に閉めた際に聞こえることが多く、配管の振動を伴うことがあります。

他の音との違い

音の種類特徴発生原因
ウォーターハンマー突発的な「ドン」「コン」音蛇口を急に閉めたときの水圧変化
熱膨張による金属音「パキッ」「カチッ」といった音配管内のお湯が冷えたり温まったりする温度差
排水音「ポコポコ」という逆流音排水管の勾配不良や詰まりが原因
足音規則的な振動音人が歩く際の床や壁への振動
給湯器の作動音低く持続的な音給湯器の動作に伴う水流や燃焼音

ウォーターハンマーは配管の内部から発生し、水の流れが急停止することで生じます。そのため、音の発生タイミングや継続時間を観察することで、他の音と区別できます。

すぐに実践できる応急処置はある?

ウォーターハンマーが発生した場合、すぐに試せる対策は以下のとおりです。

蛇口をゆっくり閉める

  • 急激に閉めると圧力が急変し、ウォーターハンマーが発生しやすくなります。
  • 可能な限りゆっくりと水を止めるようにしましょう。

元栓を調整する

  • 水道の元栓を少し締めて、水圧を抑えることで衝撃を軽減できます。
  • ただし、水の流れが弱くなりすぎないように調整しましょう。

水撃防止器を設置する

  • ウォーターハンマーを防ぐ専用の器具を取り付けることで、配管内の衝撃音を軽減できます。
  • ホームセンターやネット通販で購入可能です。

KAKUDAI 792-643 水撃吸収水栓上部

ボンぱ

プロストア ダイレクト

カクダイ 792-643 水撃吸収水栓上部

対策後も症状が続く場合の原因と確認ポイント

グッジョブ

応急処置を行ってもウォーターハンマーの症状が収まらない場合、以下の点を確認しましょう。

配管の状態を確認

  • 配管が古くなっていたり、亀裂や緩みがあると、振動が増幅される可能性があります。
  • 配管の劣化が進んでいる場合は、専門業者に相談しましょう。

水圧をチェック

  • 水圧が高すぎると、ウォーターハンマーが発生しやすくなります。
  • 水圧計を使用して適正範囲(一般的に0.2~0.6MPa)に調整しましょう。

使用している設備の影響を確認

  • 給湯器や洗濯機、食洗機などのバルブが急に閉じるタイプの機器がウォーターハンマーを引き起こしている場合があります。
  • メーカーの推奨対策を確認し、必要に応じて専用の防止装置を設置しましょう。

洗濯機・食洗機でだけ鳴るのはなぜ?(電磁弁の急閉対策)

Why-does-it-only-make-noise-when-using-the-washing-machine-or-dishwasher?

電磁弁の閉止時間と圧力波の関係

全自動洗濯機や食器洗い機(食洗機)の運転中にウォーターハンマーが頻発するのは、これらの機器に内蔵されている「電磁弁(ソレノイドバルブ)」という部品が原因です。電磁弁は、電気信号によって水の通り道を瞬時に開閉する役割を担っています。

洗濯機や食洗機は、設定された水位や工程に合わせて、この電磁弁を使って給水を正確にコントロールします。その際、弁が閉じる速度は0.1秒以下と非常に高速です。それまで勢いよく流れていた水が、この急激な閉止によって行き場を失い、その運動エネルギーが圧力エネルギーへと変換されます。この瞬間的な圧力上昇が圧力波となり、配管内を高速で伝播して壁などに衝突し、「ドン!」という衝撃音を発生させるのです。

人間の手で蛇口を閉める場合、無意識のうちに少し時間をかけてゆっくり閉めていますが、電磁弁にはその「手加減」がありません。この機械的で非情なまでの急閉鎖こそが、洗濯機や食洗機でウォーターハンマーが特に発生しやすい根本的な理由です。特に、もともとの水圧が高いご家庭では、この現象がより顕著に現れます。

機器直近アレスタ+ホース内空気噛み対策

洗濯機や食洗機が原因のウォーターハンマー対策として、最も効果的で手軽なのが、機器の直近に水撃防止器(ウォーターハンマーアレスター)を取り付けることです。これは、原因となっている電磁弁のできるだけ近くに衝撃を吸収するクッションを設置する、という理にかなった方法です。

取り付けは非常に簡単で、壁についている給水栓と、洗濯機・食洗機につながる給水ホースの間に、市販の後付けタイプの水撃防止器をねじ込むだけです。工具が不要な製品も多く、誰でも数分で設置が可能です。この対策だけで、ほとんどの場合、気になる衝撃音を大幅に軽減することができます。

もう一つ、意外な原因として「給水ホース内の空気」が挙げられることがあります。ホース内に空気が少量残っていると、水が流れる際にその空気が圧縮・膨張を繰り返し、異音の原因となることがあります。これを「空気噛み」と呼びます。対策としては、一度給水ホースを取り外し、再度接続し直す際に、水を少量流しながら接続することで、内部の空気を追い出すことができます水撃防止器を設置しても音が完全には消えない場合に、試してみる価値のある対策です。

設置後の効果確認手順(試験運転・再測)

水撃防止器などの対策装置を設置した後は、必ず効果が出ているかを確認する作業が必要です。確認を怠ると、実は効果が出ていなかったり、別の問題が発生していたりすることに気づけない可能性があります。

【効果確認の手順】

  1. 水漏れチェック
    まず、装置を取り付けた接続部から水が漏れていないか、タオルなどで触って入念に確認します。
  2. 試験運転の実施
    原因となっていた洗濯機や食洗機を実際に運転させます。特に、給水が開始され、停止する瞬間を注意深く観察し、以前発生していた衝撃音や振動が軽減されているかを確認します。
  3. 複数回での確認
    一度の運転だけでなく、時間帯や他の水栓の使用状況を変えながら、複数回試運転を行ってみましょう。これにより、様々な条件下で効果が持続するかを確認できます。
  4. (可能であれば)水圧の再測定
    減圧弁の調整や設置を行った場合は、再度水圧計で圧力を測定し、設定した通りの圧力になっているか、ウォーターハンマー発生時の圧力上昇がどの程度抑えられているかを確認するのが理想的です。

これらの手順を踏んで、確実に対策が成功したことを確認してください。もし症状が改善しない場合は、設置方法に誤りがあるか、装置の容量不足、あるいは他に原因がある可能性が考えられるため、専門業者へ相談することを検討しましょう。

まとめ

まとめ

ウォーターハンマーは、水の急停止や急加速による衝撃圧が原因で発生し、配管の破損・水漏れ・設備の故障・騒音などの問題を引き起こします。特に高水圧の家庭や築年数の古い住宅では発生しやすいため、早めの対策が重要です。

ウォーターハンマーの主な対策

  • 水圧を適正化(減圧弁の設置)
  • エアチャンバー(空気室)の導入
  • 配管の見直しやウォーターハンマーアレスターの設置
  • 蛇口やバルブの開閉をゆっくり行う習慣

これらの対策を講じることで、配管や設備の寿命を延ばし、修理費用を削減できます。

放置は危険!ウォーターハンマーの影響

ウォーターハンマーを「音が鳴るだけ」と放置すると、見えない部分で水漏れや配管の劣化が進行し、大規模な修理が必要になることもあります。また、集合住宅では騒音トラブルにも発展する可能性があるため、特に賃貸物件では早めの対応が必要です。

DIYでできる簡単な対策

  • 蛇口の開閉をゆっくり行う
  • 洗濯機や食洗機の給水速度を調整
  • 簡易タイプの減圧弁を取り付ける

ただし、根本的な解決には専門業者への依頼が必要になることもあります。

業者に相談すべきサイン

以下のような症状がある場合は、早めに点検・修理を依頼しましょう。

  • 蛇口をゆっくり閉めても「ドンッ」という音が続く
  • 給湯器や洗濯機の使用時に振動や異音がする
  • 壁のシミや床の湿りなど、水漏れの兆候がある

早めの対応を行うことで、配管や設備を長持ちさせ、余計な修理費用を防ぐことができます。

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