洗濯機に防水パンは必要か？防水パンの役割とメリットを徹底解析

• 洗濯機に防水パンって必要なの？
• 洗濯機の防水パンなしで安心して使いたい
• 洗濯機の防水パンの選び方を知りたい

洗濯機の下に設置する防水パンが本当に必要か、悩む人は多いです。防水パンは、洗濯機の水漏れが心配な人にとって重要です。この記事では、洗濯機の防水パンの基本知識や防水パンなしで洗濯機を安全に使う方法、適切な防水パンの選び方を解説します。

記事を読めば、防水パンの必要性がわかり、水漏れによるリスクを最小限にできます。洗濯機の防水パンは水が漏れたときに受け止め、水漏れの被害を防ぐことが可能です。

結論と30秒判定早見表

防水パンの必要性は住宅や設置場所によって異なります。特に賃貸や集合住宅では実質必須、戸建の1階や防水床では任意と判断できる場合があります。ここでは結論と早見表で素早く判定できるように整理します。

• 一言結論：防水パンは「上階・賃貸・集合住宅」は実質必須、「戸建1階・防水床」は条件次第で任意
• 30秒チェック表
• ケース別ショートアンサー

一言結論：防水パンは「上階・賃貸・集合住宅」は実質必須、「戸建1階・防水床」は条件次第で任意

洗濯機防水パンは、設置場所や住宅の種類によって必要性が大きく異なります。結論から言うと、上階に設置する場合、賃貸住宅、集合住宅（マンション・アパートなど）では、水漏れリスクと被害拡大防止のため、実質的に必須と考えましょう。万が一の水漏れで、階下への損害賠償問題に発展する可能性が高いためです。

30秒チェック表

防水パンが必要かどうかを素早く判断するために、以下のチェック表を活用しましょう。

住宅タイプ	床材	排水位置	保険	管理規約	判定
集合住宅（賃貸・分譲）	木質床・その他	床下	未加入/確認中	義務付けあり	必須
集合住宅（賃貸・分譲）	木質床・その他	床下	加入済み	義務付けなし	推奨
戸建（2階以上）	木質床・その他	床下	未加入/確認中	−	推奨
戸建（2階以上）	木質床・その他	床下	加入済み	−	任意
戸建（1階）	木質床・その他	床下	未加入/確認中	−	推奨
戸建（1階）	防水床（土間など）	床下	未加入/確認中	−	任意
戸建（1階）	防水床（土間など）	床上	未加入/確認中	−	不要

この表はあくまで目安です。最終的な判断は、ご自身の住居の状況や管理会社・大家さんへの確認を必ず行ってください。

ケース別ショートアンサー

賃貸住宅の場合

賃貸住宅では、入居時の契約で防水パンの設置が義務付けられているケースがほとんどです。
万が一水漏れが発生した場合、階下への損害賠償だけでなく、建物の修繕費用も請求される可能性があるため、必ず設置しましょう。既存の設備である場合は、そのまま使用することになります。

分譲マンションの場合

分譲マンションも賃貸と同様に、管理規約で防水パンの設置が義務付けられていることが多いです。
規約に違反した場合、トラブルの原因となるだけでなく、水漏れ時の責任問題にも発展します。必ず管理規約を確認し、不明な点があれば管理組合に問い合わせましょう。

戸建住宅の場合

戸建住宅では、防水パンの設置は基本的に任意です。
しかし、洗濯機を2階以上に設置する場合や、木質床など水に弱い床材を使用している場合は、水漏れ時の被害を考慮して設置を推奨します。1階の土間や防水加工された床に設置する場合は、不要と判断することも可能です。

屋外・脱衣所以外に設置する場合

屋外や脱衣所以外の場所に洗濯機を設置する場合、床の防水性や排水設備が異なるため、個別での判断が必要です。
例えば、ガレージやサンルームなど、水濡れに強い環境であれば防水パンは不要な場合もあります。設置場所の環境を考慮し、水漏れリスクを評価して判断しましょう。

法的義務・管理規約・保証の境界

法律で全国一律に義務付けられてはいませんが、管理規約や契約、保証や保険の条件で必須になるケースがあります。ここでは法令・規約・保証の境界を整理して解説します。

• 法令上の位置づけ
• 管理規約・入居時の取り決め
• メーカー保証・保険のグレーゾーン

法令上の位置づけ

洗濯機防水パンの設置に関して、全国一律で義務付ける法律は基本的にありません。

しかし、多くの集合住宅や賃貸物件では、建物の仕様や管理規約によって事実上必須とされています。これは、水漏れが起こった際に、階下への甚大な被害を避けるためです。特に、木造建築の集合住宅では、水漏れが構造に影響を及ぼす可能性も考慮されています。

管理規約・入居時の取り決め

賃貸住宅や分譲マンションでは、管理規約や入居時の取り決めによって防水パンの設置が義務付けられていることが非常に多いです。

既存の防水パンの改造や撤去は、基本的に管理会社や管理組合への申請と許可が必要です。無許可で改造を行うと、契約違反となり、原状回復費用や損害賠償を請求される可能性があります。

メーカー保証・保険のグレーゾーン

洗濯機本体のメーカー保証や、火災保険・家財保険といった各種保険では、水漏れに関する免責条件が設けられている場合があります。例えば、メーカー保証では、適切な設置環境（防水パンの有無を含む）での使用が前提とされていることがあります。防水パンがないことによる水漏れが原因で洗濯機が故障した場合、保証対象外となる可能性も考えられます。

洗濯機の防水パンの基礎知識と役割

洗濯機の防水パンを設置すると、住宅の損傷を防ぐことが可能です。一般的にはプラスチックやステンレス製のものが使用され、洗濯機のサイズに合った大きさを選ぶ必要があります。

洗濯機の防水パンの基礎知識と役割について、以下の2点を解説します。

• 防水パンの基本機能
• 防水パンの必要性

防水パンの基本機能

洗濯機 防水パン

防水パンは、洗濯機からの水漏れを受け止める重要な役割を果たしています。

防水パンの基本機能は、以下のとおりです。

• 洗濯機からの水漏れをキャッチするためのトレイの役割を果たす
• 漏れた水を外部に流出させるための排水口が備わっている
• 洗濯機の振動による動きを防ぐための固定機能がある
• 床や壁を湿気やカビ、水害から保護する
• 緊急時に水の流出を迅速に察知しやすくする

洗濯機の下に設置され、万が一水が漏れた場合に水を受け止め、床や壁を湿気やカビ、水害から守れます。漏れた水を速やかに外部に流出させられるので、緊急時にも迅速に対応が可能です。洗濯機の振動による不意の動きを防ぐ固定機能を持つ製品もあるので、安全性が高まります。

防水パンの必要性

洗濯機 防水パン

防水パンは家庭内での水トラブルを未然に防ぎ、安心して洗濯機を使用するために重要な役割を果たします。

防水パンの必要性は、以下のとおりです。

• 洗濯機からの水漏れによる床の損傷やカビの発生を防ぐため
• ホースの破裂や接続部の緩みなど、水漏れの被害を抑えるため
• 水害時に洗濯機周辺の被害を最小限に抑えるため
• 賃貸住宅などでは退去時の敷金返還率を高めるため

防水パンは家の保護と安全を確保するために不可欠です。適切なサイズと材質の選定が、防水パンの効果を最大限に発揮する鍵となります。

防水パンが“必要/不要/推奨”になる条件

防水パンは、家の構造や設置場所によって必要度が変わります。集合住宅や上階では「必須」、戸建2階や防水床では「推奨」、1階土間や防水施工済みの床では「不要」と判断できます。ここから、それぞれの条件を分けて見ていきましょう。

• 必須寄りの条件
• 推奨の条件
• 不要にできる条件

必須寄りの条件

防水パンが「必須」に近いと考えられるのは、以下のような条件が複数当てはまる場合です。

上階に設置する場合

2階以上の部屋に洗濯機を設置する場合、水漏れは階下への直接的な被害につながります。集合住宅では特に、他の住戸への影響が大きいため必須です。

集合住宅

マンションやアパートなどの集合住宅では、構造上、水漏れが広範囲に影響を及ぼしやすいため、管理規約で義務付けられていることが多く、実質的に必須です。

木質床（フローリング・クッションフロアなど）

水に弱い素材の床は、一度水漏れすると腐食やカビの原因となりやすく、補修費用が高額になる可能性があります。防水パンで床を守ることが重要です。

排水勾配が不明な場合

洗濯機の排水ホースから水が漏れた際に、適切な勾配が確保されていないと水が滞留し、床下に浸水するリスクがあります。

苦情・漏水リスクが高い場合

古い洗濯機を使用している、排水口の詰まりが頻繁に起こるなど、水漏れのリスクが通常よりも高い場合は、防水パンで被害を最小限に抑える必要があります。

これらの条件に該当する場合は、防水パンの設置を強くおすすめします。

推奨の条件

防水パンの設置が「推奨」されるのは、必須ではないものの、設置することで安心感や利便性が向上するケースです。

戸建住宅の2階

戸建住宅でも2階に洗濯機を設置する場合、万が一水漏れすると1階への被害が考えられます。集合住宅ほどではないですが、水漏れ対策として防水パンの設置が推奨されます。

クッションフロアなどの防水床

防水性能のあるクッションフロアでも、長期間の浸水には耐えられません。防水パンがあれば、より確実に床を保護できます。

配管の老朽化や不安がある場合

排水管や給水管が古い、または配管からの水漏れが過去にあった場合、防水パンを設置することで、万が一の漏水を早期に発見し、被害拡大を防ぐ効果が期待できます。

洗濯機の重量や振動が大きい場合

ドラム式洗濯機など、大型で重量のある洗濯機や、脱水時に振動が大きい洗濯機の場合、防水パンを設置することで床への負担を軽減し、振動音の軽減にもつながることがあります。

これらのケースでは、防水パンの設置は必須ではありませんが、メリットが大きいため推奨されます。

不要にできる条件

防水パンの設置が「不要」と判断できるのは、以下のような条件が当てはまる場合です。

戸建住宅の1階土間やコンクリート床

1階の床が土間やコンクリートなど、水に強く防水性の高い素材でできており、万が一水漏れしても建物への被害が小さい場合は、防水パンは不要です。

屋外（屋根付き）

屋外に洗濯機を設置する場合で、雨風から保護されており、排水設備が適切に整っている場合は、防水パンは必須ではありません。ただし、凍結防止などの対策は別途必要です。

防水立上りが施工済みの床

洗濯機を設置する場所の床が、壁際までしっかりと防水処理（防水立上り）されている場合は、防水パンがなくても水漏れが床下に浸水するリスクは低いです。

確実な漏水検知システム（センサー）の導入

高機能な漏水センサーを設置し、水漏れを早期に検知できる体制が整っている場合は、防水パンがなくても迅速な対処が可能です。ただし、センサーはあくまで「検知」であり、水を受け止める機能はないため、その後の対応が重要になります。

これらの条件に合致する場合は、防水パンを設置しなくても大きな問題になることは少ないでしょう。

洗濯機の防水パンを設けないリスク

洗濯機防水パンを設けない場合、多くのリスクがあります。

以下の3点について確認し、リスクを理解しましょう。

• 水漏れ時のリスク
• 防水パンなしのメリット・デメリット
• 【住宅タイプ別】洗濯機防水パンが必要かどうかの検討ポイント

水漏れした場合のリスクを考慮すると、洗濯機の設置に際して防水パンは重要です。

水漏れ時のリスク

洗濯機からの水漏れが起こった際に、防水パンがないと、漏れた水が床や壁を痛め、深刻な損害を引き起こす可能性があります。マンションなどの集合住宅において、水漏れは重大な問題です。水漏れは、修理や清掃のための追加費用が必要になりますが、住宅保険の適用外となることが多いです。

防水パンなしのメリット・デメリット

洗濯機を防水パンなしで設置するメリットは、以下のとおりです。

• 設置場所がスッキリ見える
• 空間を広く利用できる
• 洗濯機の下の床が掃除しやすくなる
• 防水パンの内部にたまる汚れやカビを気にする必要がない
• 場所を選ばずに洗濯機を配置できる

洗濯機を防水パンなしで設置するデメリットは、以下のとおりです。

• 水漏れが発生した際に床が濡れて床材が傷む
• 水漏れが下階に水漏れが及ぶ
• 洗濯機の稼働中の騒音が大きく感じる

マンションなどの集合住宅での使用は、下階に水漏れが及ぶことで、他の住人に迷惑をかける可能性があります。集合住宅では防水パンの使用がおすすめです。

【住宅タイプ別】洗濯機防水パンが必要かどうかの検討ポイント

洗濯機防水パンの必要性は、住宅のタイプや設置場所によって異なります。住宅タイプ別に洗濯機防水パンが必要かどうかの検討ポイントについて、以下の2点を解説するので参考にしてください。

• マンションか戸建て
• 洗濯機の設置場所と状況

マンションか戸建て

マンションの場合は、水漏れが下階に影響を及ぼす可能性があるため、防水パンの設置がおすすめです。多くのマンションでは、管理規約にもとづいて防水パンの設置が義務付けられています。下階への水漏れによる損害を防ぎ、法的な問題のリスクを減らすためです。

洗濯機の防水パンは、多くの住宅で有効な対策です。

洗濯機の設置場所と状況

洗濯機の設置場所を選ぶ際には、以下のポイントを考慮しましょう。

• 設置場所の床材質
• 洗濯機のサイズと設置場所のスペースの対応
• 洗濯機の排水方式
• 設置場所の換気状況
• 設置場所周辺の水気の多さ
• 床に防水加工がされているかどうかの確認

以上のポイントを考慮して洗濯機の設置場所と状況を選定することは、洗濯機の性能を保ち、製品の寿命を延ばすために不可欠です。

防水パンなしで洗濯機を使用する方法

適切な予防措置と工夫を施すことで、防水パンなしでも安全に洗濯機を使えます。

防水パンなしで洗濯機を使用する方法について、以下の3点を解説します。

• 専用の置き台の利用
• 防水シートやマットの利用
• 洗濯機下のスペースを清潔に保つコツ

防水パンがない場合でも、上記の方法で安心して洗濯機を使用できるので参考にしてください。

専用の置き台の利用

洗濯機 台 キャスター 8足4輪 洗濯機置き台 防水パン

専用の置き台を利用することで、洗濯機の安定性とメンテナンスのしやすさが向上し、振動や騒音の減少も期待できます。置き台が洗濯機を床から持ち上げるため、水漏れのリスクが減り、床面の損傷を防げます。市場には多様なサイズや材質の置き台があるので、洗濯機のサイズに合わせて選びましょう。

防水シートやマットの利用

SANEI(旧社名:三栄水栓製作所)洗濯機用トレー

防水シートやマットを使用すると、洗濯機からの水漏れによる床のダメージを効果的に防ぐことが可能です。防水シートやマットは、耐水性と耐久性に優れているプラスチックやゴムが使われていることが多く、水の侵入が防げます。

表面は滑りにくく設計されているため、洗濯機が稼働中に発生する振動や動きを抑える効果もあります。洗濯機の底面全体をカバーできる適切なサイズを選び、設置することが重要です。防水シートやマットは、定期的に取り外して床面を掃除しましょう。長期間にわたって床を保護し、清潔さを保つことが可能です。

洗濯機下のスペースを清潔に保つコツ

洗濯機下のスペースを清潔に保つコツは、以下のとおりです。

• 定期的に洗濯機を前に引き出して掃除する
• 洗濯機下に防水シートやマットを敷く
• ほこりを定期的に取り除く
• 洗濯機のホースの接続部分の点検を定期的に行う
• 除湿剤を使用する

以上の簡単な対策を行うことで、洗濯機下のスペースをドライで清潔に保てます。洗濯機周りの衛生状態を向上することが可能です。
» 洗濯機の排水口掃除ガイド：詰まりを防ぐ掃除とメンテナンス方法

防水パン vs 代替手段の比較表

洗濯機の水漏れ対策には、防水パンだけでなく、置き台や防水シート、防振ゴム、漏水センサーなど複数の選択肢があります。それぞれの方法は「防水性」「掃除のしやすさ」「費用」などの面で特徴が異なり、状況によって向き不向きがあります。ここでは、主要な対策を比較表で整理し、長所と短所を分かりやすく解説します。

• 比較
• 長短一覧
• 「組み合わせ最適化」

比較

洗濯機の水漏れ対策には、防水パン以外にもいくつかの選択肢があります。それぞれの対策について、以下の比較軸で長所と短所を比較してみましょう。

防水性

水漏れを完全に防げるか、またはどの程度の水を受け止められるか。

漏水拡大防止

水漏れが発生した際に、周囲への被害拡大をどれだけ抑制できるか。

掃除性

設置後の清掃のしやすさ。ホコリやカビが溜まりにくいか。

騒音

洗濯機の振動音や排水音をどれだけ軽減できるか。

施工難易度

設置や取り外し、交換作業の簡単さ。DIYで可能か、業者が必要か。

費用

初期費用と維持費用。

賃貸適合性

賃貸住宅で設置や使用が許可されるか。

これらの比較軸を基に、ご自身の状況に合った最適な方法を選びましょう。

長短一覧

対策方法	防水性	排漏水拡大防止	掃除性	騒音	施工難易度	費用	賃貸適合性
防水パン	高	高	低	中　（防振併用で向上）	中	中　本体5千〜1万円＋工賃1〜3万円	高　（規約で事実上必須が多い）
置き台（かさ上げ台）	低	低	高	低　（防振併用で向上）	低	低　3千〜1.5万円	高　（床傷対策要）
防水シート・マット	中	中	中	低	低	低　2千〜8千円	高
防振ゴム	なし	なし	中	低	低	低　千〜3千円	高
漏水センサー	なし	低（早期検知のみ）	高	なし	低	低　千〜5千円	高

防水パン

防水パンは、洗濯機の下に設置する受け皿状の設備です。水漏れを確実に受け止め、周囲への被害拡大を防ぐ最も効果的な手段です。
防水性・漏水拡大防止に優れていますが、形状によっては洗濯機の下の掃除がしにくく、設置費用もやや高めになります。賃貸住宅や集合住宅では、既存で設置されていることが多く、そのまま使用することがほとんどです。

置き台（かさ上げ台）

洗濯機をかさ上げするための台です。
防水機能はありませんが、洗濯機と床の間に空間ができるため、掃除がしやすくなります。防振効果のあるものを選べば、騒音軽減にもつながります。水漏れ対策としては不十分ですが、軽微な水漏れなら床に水が広がるまでの時間を稼げます。

防水シート・マット

洗濯機の下に敷くことで、床への水濡れを一時的に防ぐシートやマットです。
防水性はありますが、大量の水漏れには対応できません。あくまで一時的な対策や、軽微な水濡れ防止に有効です。汚れたら交換できる手軽さがあり、費用も安価です。

防振ゴム

洗濯機の脚の下に敷くゴム製のパッドです。
洗濯機の振動を吸収し、騒音を軽減する効果があります。防水機能はありませんが、振動による配管の緩みなどを軽減し、間接的に水漏れリスクを下げる効果も期待できます。

漏水センサー

水漏れを検知するとアラームで知らせる機器です。
防水機能はありませんが、水漏れを早期に発見できるため、被害拡大を防ぐことができます。他の対策と組み合わせることで、より高い安心感が得られます。設置が簡単で費用も安価なものが多く、手軽に導入できるのがメリットです。

「組み合わせ最適化」

それぞれの対策方法には長所と短所があるため、単独ではなく複数の方法を組み合わせることで、より効果的な水漏れ対策が可能です。

賃貸住宅の場合

既存の防水パンがある場合は、それに加えて漏水センサーを設置するのがおすすめです。これにより、万が一の漏水を早期に検知し、大きなトラブルになる前に対応できます。防水パンがない場合は、管理会社に相談の上、防水シートや防水マットを敷くなどの対策を検討しましょう。

戸建住宅の1階（防水床の場合）

床が防水仕様（土間など）の場合は、防水パンは不要ですが、念のため防水シートやマットを敷くことで、床の保護と掃除のしやすさが向上します。さらに、防振ゴムを併用することで、洗濯機の振動音を軽減し、快適性を高めることができます。

戸建住宅の2階

防水パンの設置を検討しつつ、置き台（かさ上げ台）を併用することで、掃除のしやすさと振動音の軽減を図れます。漏水センサーを設置すれば、さらに安心感が高まります。

ご自身のライフスタイルや住宅環境、予算に合わせて最適な組み合わせを見つけましょう。

洗濯機の防水パンの選び方と注意点

洗濯機防水パンを選ぶ際には、以下の3点を理解することが重要です。

• フラットタイプとかさ上げタイプの違い
• 適切なサイズと材質の選び方
• 設置時の注意点

以上のポイントに注意すると、適切な洗濯機防水パンが選択でき、安心して使用できます。

フラットタイプとかさ上げタイプの違い

洗濯機 防水パン洗濯機 防水パン

フラットタイプとかさ上げタイプの違いとメリットをまとめました。

洗濯機の防水パンのタイプ	高さ	メリット
フラットタイプ	洗濯機を床と同じ高さに直接設置できる	空間を広く使える 設置がシンプルで、多くの住状況に適している
かさ上げタイプ	洗濯機を数センチメートル持ち上げる	掃除がしやすく、収納としても活用できる 振動による騒音や床への影響を軽減できる

フラットタイプとかさ上げタイプでは、設置の手軽さや空間の活用方法が異なります。住宅環境やニーズに合わせて選びましょう。

サイズや材質の選び方

洗濯機の防水パンを選ぶ際には、サイズや材質が重要です。適切なサイズと材質を選ぶことで、長期間にわたって安心して洗濯機を使用できます。防水パンのサイズは、洗濯機の外形寸法に合わせて選ぶ必要があります。洗濯機がぴったりと収まるように、少し余裕を持たせたサイズを選ぶことがおすすめです。

防水パンを設置することで、洗濯機の振動による動きが抑制され、より安全に使用できます。防水パンの色やデザインを選ぶ際には、室内のインテリアや好みに合わせることで、見た目の調和も取れます。耐震性を考慮してマットや固定具を選ぶことも、安全性を高めるために重要です。

設置時の注意点

洗濯機の防水パンを設置する際には、いくつかの重要な点を確認することが大切です。自力で設置する場合と業者に設置してもらう場合の注意点を詳しく解説します。注意点を押さえることで安心して使えます。

自力設置の場合

自力で洗濯機を設置する場合は、以下の要領で行いましょう。

1. 設置場所が水平であることを確認する
2. 正確なサイズと形状を測定する
3. 防水パンと洗濯機の取扱説明書を事前に読み、設置方法を確認する
4. 必要な工具を準備する
5. 防水パンの水平設置を確実に行い、安定性を確認する
6. 排水管との接続部分に漏れがないか徹底的にチェックする
7. 設置後は水漏れテストを実施して、問題がないか確認する

設置の際は、レンチやプライヤー、スクリュードライバーなどの基本的な工具が必要です。防水パンを水平に設置して安定性をチェックすることも重要です。排水管との接続部分に漏れがないかも厳しくチェックし、最終的には水漏れテストを実施して、問題がないことを確認してください。

コメリ公式チャンネル

洗濯機の設置方法【コメリHowtoなび】

業者へ依頼する場合

業者に防水パン設置を依頼する際には、以下のポイントを考慮することが大切です。

• 業者選定時には、過去の実績や口コミを必ず確認する
• 費用の見積もりを複数の業者から取り比較する
• 設置工事の日程調整は早めに行う
• 業者に防水パンの種類や材質についてのアドバイスを求める
• 設置後の保証やアフターサービスの内容を確認する

業者を選ぶ際は、実績と口コミをしっかりと確認すると安心して作業を任せられます。費用の面では、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが賢明です。適正な価格でサービスを受けられるようになります。

設置できない・合わない時の解決策（大型機・排水位置・干渉）

防水パンは洗濯機設置の基本ですが、実際には「サイズが合わない」「排水口と位置がズレる」「壁や洗面台と干渉する」といった問題が少なくありません。特にドラム式など大型機種では寸法のミスマッチが起こりやすく、設置後に水漏れや使い勝手の不便につながることもあります。ここからは、代表的なトラブル別に具体的な解決策を解説します。

• ドラム式の脚がパンに乗らない問題
• 排水位置ミスマッチ
• 洗面台・壁と干渉
• 後付け・移設の流れ

ドラム式の脚がパンに乗らない問題

ドラム式洗濯機は大型で重量があるため、従来の防水パンでは脚が収まらない、またはバランスが悪くなるという問題が発生することがあります。このような場合の解決策は以下の通りです。

かさ上げ脚（洗濯機用防振ゴム・高さ調整台）の使用

洗濯機のかさ上げ脚を使用することで、洗濯機の脚の位置を調整し、防水パンに収まるようにできます。これにより、防水パンの設置面を確保できるだけでなく、洗濯機の下に空間ができて掃除がしやすくなるメリットもあります。ただし、洗濯機本体の高さが高くなるため、蛇口や棚との干渉がないか確認が必要です。
テクノテック｜イージースタンド D77（高さ77mm）

延長プレートの利用

防水パンのサイズが合わない場合、脚を乗せる部分を拡張する延長プレートを使用する方法もあります。これにより、既存の防水パンを活かしつつ、ドラム式洗濯機を安定して設置できます。
テクノテック｜イージースタンド D105（高さ105mm）

大型防水パンへの交換

既存の防水パンが小さすぎる場合は、ドラム式洗濯機に対応した大型の防水パンに交換することも検討できます。これは業者による施工が必要となる場合が多く、費用もかかりますが、最も確実な解決策です。

いずれの方法を選ぶ場合も、洗濯機と防水パン、そして設置場所の寸法を正確に測り、設置後の安定性を確認することが重要です。

排水位置ミスマッチ

洗濯機の排水口と防水パンの排水口、または洗濯機本体の排水ホースの接続位置が合わない「排水位置ミスマッチ」もよくある問題です。これに対する解決策と、それぞれの是非を解説します。

横引きトラップの使用

排水口の位置がずれている場合、横引きトラップを使用することで排水ホースの取り回しをスムーズにできます。横引きトラップは、排水エルボと排水トラップが一体になっており、横方向に排水ホースを接続できるようになっています。比較的安価で導入しやすいですが、排水の流れが悪くならないように、適切な勾配を確保することが重要です。
SANEI（サンエイ）｜H5553-50

かさ上げパン（上げ底パン）の利用

防水パン自体がかさ上げされているタイプの製品を使用することで、排水口の位置を調整できます。これにより、洗濯機の下にスペースが生まれて掃除がしやすくなるメリットもあります。ただし、洗濯機の高さが高くなるため、蛇口や棚との干渉に注意が必要です。

排水移設

最も根本的な解決策ですが、最も大掛かりで費用もかかるのが排水口の移設です。壁や床を開口し、排水管を移動させる工事が必要となるため、専門業者による施工が必須です。賃貸物件では基本的に不可能です。戸建や分譲マンションの場合でも、管理組合への申請や許可が必要となる場合があります。

排水位置のミスマッチは水漏れの原因にもなりうるため、適切な解決策を選びましょう。

洗面台・壁と干渉

洗濯機を設置するスペースが狭い場合、洗面台や壁と防水パン、または洗濯機本体が干渉してしまうことがあります。これを解決するための方法と、寸法の取り方について説明します。

薄型/フラットパンの選択

一般的な防水パンよりも高さが低い、または縁がフラットなタイプの防水パンを選ぶことで、干渉を避けられる場合があります。これらのパンは、見た目もスッキリしているため、デザイン性を重視する方にもおすすめです。

洗濯機の配置見直し

洗濯機の設置向きを変えることで、洗面台や壁との干渉を避けられる場合があります。また、防水パンの位置を微調整するだけで解決することもあります。

これらの対策を講じることで、限られたスペースでも洗濯機と防水パンを適切に設置できます。

後付け・移設の流れ

既存の防水パンがない場所に新しく設置する場合や、現在の防水パンを移設・交換する場合、専門業者による工事が必要となることがあります。一般的な後付け・移設の流れと、見積もり項目について解説します。

1. 現地調査・相談
   まず、業者に連絡し、現地調査を依頼します。設置場所の状況や希望を伝え、最適な防水パンの選定や工事内容について相談します。
2. 見積もり取得
   調査結果に基づき、具体的な工事内容と費用が提示されます。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
3. 契約・工事日程調整
   見積もり内容に納得したら契約を締結し、工事日程を調整します。
4. 工事実施
   業者が防水パンの設置・移設工事を行います。工事内容によっては、数時間から半日程度の時間がかかる場合があります。
5. 完了確認・支払い
   工事完了後、設置状況や動作確認を行い、問題がなければ代金を支払います。

メンテ性と臭気対策（封水・トラップ・清掃ハッチ）

防水パンは単に水漏れを受け止めるだけでなく、下水臭や詰まりを防ぐためのメンテナンス性も重要です。とくに排水トラップの封水切れや清掃のしやすさは、日常の快適さに直結します。ここからは、臭気トラブルの予防法や掃除のしやすさを左右するポイントについて解説します。

• 封水切れの症状と復旧手順
• 清掃ハッチの有無・トラップ形状で選ぶメリデメ
• 掃除頻度と“詰まり”の予防

封水切れの症状と復旧手順

洗濯機防水パンの排水トラップには、下水からの臭いや害虫の侵入を防ぐために「封水」という水が溜まっています。この封水がなくなってしまう状態を「封水切れ」といい、以下のような症状が現れます。

下水のような嫌な臭いがする

封水がなくなることで、下水の臭いが直接室内に上がってくるようになります。

排水時に「コポコポ」という異音がする

封水がない状態で排水すると、空気の逆流によってコポコポという音がすることがあります。

清掃ハッチの有無・トラップ形状で選ぶメリデメ

防水パンの排水トラップには、掃除のしやすさに影響する「清掃ハッチ」の有無や、様々な「トラップ形状」があります。これらを選ぶ際のメリット・デメリットを理解しておきましょう。

清掃ハッチの有無

トラップ形状

わんトラップ（カップ式）

お椀を伏せたような形状のトラップで、比較的シンプルな構造です。
⚪︎ メリット：構造が単純で詰まりにくく、掃除も比較的簡単です。
⚪︎ デメリット：封水が蒸発しやすい傾向があります。

ドラムトラップ

ドラム状の筒の中に水が溜まる構造で、封水が切れにくいのが特徴です。
⚪︎ メリット：封水切れが起こりにくく、臭い上がりを強力に防ぎます。
⚪︎ デメリット：構造が複雑なため、詰まりやすい傾向があり、掃除もやや手間がかかります。

掃除頻度と“詰まり”の予防

洗濯機防水パンの排水口や排水トラップは、定期的な掃除が必要です。掃除を怠ると、糸くずや髪の毛、衣類の皮脂、洗剤カスなどが溜まり、詰まりや嫌な臭いの原因となります。

洗濯機防水パンをより安全・快適に活用するためのポイント

洗濯機の防水パンは、水漏れや振動から床を保護する重要な設備です。ここでは、防水パンの設置費用、水漏れトラブルと保険の関係、メンテナンス方法、その他の水漏れ対策アイテム、賃貸住宅でのトラブル防止策について詳しく解説します。

• 防水パン設置にかかる費用の目安
• 防水パン設置のコストと水漏れ被害の修理費用を比較する
• いざというときに備える！洗濯機トラブルに関する保険・保証の確認
• 防水パンのメンテナンス方法
• その他の水漏れ対策アイテム
• 賃貸住宅での防水パントラブルを防ぐ方法

防水パン設置にかかる費用の目安

防水パンの設置や交換にかかる費用は、以下の通りです。

費用項目	価格目安
防水パン本体	約5,000円～10,000円
工事費用	約10,000円～20,000円
合計費用	約25,000円～35,000円

DIYでの交換も可能ですが、排水口の位置変更が必要な場合は専門業者に依頼するのが無難です。

費用を抑えるポイント

相見積もりを取る

業者依頼の場合、複数の業者に見積もりを依頼し、費用と施工内容を比較する。

リフォーム時にまとめて依頼

洗面所やキッチンのリフォームと同時に設置すると、施工費が割安になることがある。

DIYに挑戦

取り付けが比較的簡単な場合は、DIYで施工費を節約。ただし、正確な作業が必要。

防水パン設置のコストと水漏れ被害の修理費用を比較する

防水パンの導入をためらう理由のひとつに「設置費用」があります。しかし、水漏れが起きた場合の修理費は想像以上に高額になることが多いです。コストの差を把握しておくと、防水パン設置の重要性を再認識できます。

防水パン設置費用の目安

• 市販の防水パン本体は数千円～1万円程度
• 業者による設置工事費は1～3万円前後が一般的

水漏れ被害の修理費用の目安

• 床材や壁紙の補修、下階への被害で10万円以上かかることも珍しくない
• マンション管理規約違反などが絡むと、さらに費用やトラブルが拡大する可能性がある

いざというときに備える！洗濯機トラブルに関する保険・保証の確認

水漏れによる損害は、火災保険や賃貸住宅用の保険で補償されることがあります。適用条件は保険会社によって異なるため、契約内容を確認しておきましょう。

主な補償の種類

持ち家の場合

火災保険の水濡れ補償が適用される可能性あり。

賃貸住宅の場合

借家人賠償責任保険で補償される場合がある。

上階からの水漏れ

上階住人の個人賠償責任保険や火災保険が適用されるケースも。

水漏れが発生した場合は、被害状況を記録し、迅速に管理会社や保険会社へ連絡することが重要です。

事前確認すべきポイント

• 設備の経年劣化による水漏れは補償外となる場合がある。
• 自己負担額や免責事項を確認し、必要に応じて特約を追加。
• 保険会社に事前に問い合わせて、洗濯機周りの水漏れリスクがカバーされるか確認。

防水パンのメンテナンス方法

防水パンの寿命を延ばし、トラブルを防ぐためには、定期的なメンテナンスが必要です。

メンテナンスのポイント

月1回の清掃

掃除機やウェットシートで汚れを除去。

排水口の点検

排水トラップを外し、ゴミや詰まりを取り除く。

カビ防止対策

風通しを良くし、湿気を溜めないようにする。

シーリングの確認

壁との接合部のシーリングが劣化していないか点検。

破損のチェック

防水パンに亀裂や変形がないか確認。

その他の水漏れ対策アイテム

防水パン以外にも、以下のアイテムを活用することで水漏れ対策を強化できます。

アイテム	特徴・用途
漏水センサー	水漏れを感知し、アラートを発するデバイス
洗濯機 防振ゴム	振動・騒音を軽減し、洗濯機のズレを防ぐ
洗濯機 ホースクリップ	排水ホースの外れを防ぐ
シリコンテープ	小さな水漏れを応急補修
防水テープ 水中	配管の水漏れ補修に使用

賃貸住宅での防水パントラブルを防ぐ方法

賃貸住宅で防水パンを安全に使用するためには、以下の対策を講じましょう。

1. 入居時の確認
   防水パンの有無や状態を確認し、必要なら管理会社へ相談。
2. 適切な設置
   洗濯機を防水パンのサイズに適合するように設置。
3. 定期点検
   水漏れの兆候がないかチェック。
4. 早期対応
   水漏れや異常を発見したら、すぐに管理会社へ報告。
5. 保険の確認
   借家人賠償責任保険の補償内容を事前に確認。

施工の範囲と資格（DIY/指定工事店の境界）

防水パンの設置には、自分でできる作業と業者に任せるべき工事があります。水平を取る・固定するなどはDIY可能ですが、排水や給水の工事は資格が必要です。トラブルを防ぐためにも、作業ごとの境界を正しく見極めましょう。

• DIYでできること
• 業者領域
• 見積もりの見方

DIYでできること

洗濯機防水パンの設置において、DIYで対応できる範囲は限られています。安全かつ確実な設置のためにも、自身のスキルと作業内容を正確に把握することが重要です。

DIYで対応可能な作業例

水平出し

防水パンを設置する際、床の傾きを修正し、水平に設置する作業です。市販の水平器を使用し、アジャスター付きの防水パンであれば簡単に調整できます。

固定

防水パンを床に固定する作業です。専用のビスや接着剤を使用します。ただし、賃貸物件では床に穴を開けることができないため、両面テープなどで仮固定するに留めるか、置き型の防水パンを選びましょう。

コーキング（シーリング）

防水パンと床の隙間、または壁との隙間を防水処理する作業です。シリコンコーキング材を使用し、水漏れ防止と見栄えの向上を図りましょう。

既設配管への差し替え

既存の排水管に洗濯機の排水ホースを差し込む作業です。これは、特別な工具や技術を必要としないため、比較的簡単に行えます。ただし、接続部に隙間がないように確実に固定し、水漏れがないか確認が必要です。

DIYで作業を行う際は、必ず取扱説明書をよく読み、慎重に進めましょう。少しでも不安を感じる場合は、無理せず専門業者に依頼することが賢明です。

業者領域

DIYでは対応できない、専門的な知識と技術が必要な作業は、必ず専門業者に依頼しましょう。特に、排水に関する工事は、誤った施工をすると水漏れや下水逆流などの重大なトラブルにつながる可能性があります。

業者に依頼すべき作業例

排水位置の変更や系統改修

既存の排水口の位置が適切でない場合や、排水管の経路を変更する必要がある場合は、専門的な配管工事が必要です。

給水管の分岐や延長

洗濯機用の給水栓を新設したり、既存の給水管を延長したりする作業も、水漏れリスクがあるため業者に依頼すべきです。

専門資格の境界

指定給水装置工事事業者

給水装置工事（水道メーターから蛇口までの工事）を行う際に必要となる資格を持つ業者です。給水管の分岐や延長など、給水に関する工事はこれらの事業者に依頼します。

排水設備指定工事店

排水設備工事（下水管への接続工事など）を行う際に必要となる資格を持つ業者です。排水位置の変更や排水系統の改修など、排水に関する工事はこれらの工事店に依頼します。

これらの資格を持つ業者は、地域の自治体によって指定されており、適切な施工が保証されます。信頼できる業者を選ぶためにも、複数の業者から見積もりを取り、実績や評判を確認することが大切です。

見積もりの見方

業者に工事を依頼する際、提示された見積もり内容をしっかり確認することが重要です。何にどれくらいの費用がかかるのか、内訳を理解しておくことで、不当な請求を防ぎ、安心して工事を任せられます。

見積もりの主な内訳項目

出張費

業者が現場に赴くためにかかる費用です。遠距離の場合や緊急対応の場合に高くなることがあります。

撤去費用

既存の防水パンや設備を撤去する費用です。撤去するものの種類や量によって異なります。

処分費用

撤去した廃材や古い防水パンなどを処分する費用です。適切な方法で処分されるか確認しましょう。

防水パン本体費用

設置する防水パンの製品代です。種類やサイズ、素材によって価格が大きく異なります。

排水金具費用

防水パンに接続する排水トラップや排水エルボなどの部品代です。

シール材費用

防水パンと床や壁の隙間を埋めるコーキング材などの材料費です。

施工費（作業費）

防水パンの設置作業にかかる人件費や技術料です。

諸経費

現場の状況に応じて発生する追加費用や、運搬費などが含まれることがあります。

保証内容

工事後の保証期間や保証範囲が明記されているか確認しましょう。万が一の不具合が発生した際に重要になります。

見積もりを受け取ったら、これらの項目が具体的に記載されているか、不明瞭な点がないかを確認してください。疑問点があれば、遠慮せずに業者に質問し、納得した上で契約を結びましょう。

失敗事例と再発防止チェックリスト

洗濯機防水パンの設置では、思わぬミスが後々のトラブルに直結することがあります。特に寸法の誤りや排水口の不具合などは、設置後に気付いても手直しが難しいケースが多いため、事前に把握しておくことが大切です。ここからは、実際によくある失敗事例と、その原因を明確にした典型ミスを紹介します。

• 典型ミス10選
• 設置前チェックシート
• 設置後チェックシート

典型ミス10選

洗濯機防水パンの設置や使用において、よくある失敗事例を知っておくことで、同様のトラブルを未然に防ぐことができます。ここでは、典型的な失敗例を10個紹介します。

1. 寸法誤り
   洗濯機本体や防水パンのサイズ、設置スペースの寸法を正確に測らず、搬入・設置時に「入らない」「スペースが足りない」といった問題が発生する。
2. 脚不一致
   ドラム式洗濯機などの大型機の脚が、既存の防水パンに収まらない、またはバランスが悪くなる。
3. 水平不良
   防水パンや洗濯機が水平に設置されておらず、洗濯時の振動が大きくなったり、異音が発生したりする。
4. 封水切れ
   長期間の留守や排水時の急激な気圧変化により、排水トラップの封水が切れて下水臭が上がってくる。
5. 固定不足
   防水パンが床にしっかりと固定されておらず、洗濯機の振動でずれたり、水漏れが発生しやすくなったりする。
6. 賃貸許可漏れ
   賃貸物件で、大家さんや管理会社に無断で防水パンを設置・交換したり、改造したりしてトラブルになる。
7. 排水ホース接続不良
   排水ホースが排水口にしっかりと接続されておらず、水漏れが発生する。ホースの劣化によるひび割れも原因となる。
8. 排水口の詰まり
   糸くずや髪の毛、洗剤カスなどが排水口やトラップに溜まり、排水不良や逆流を起こす。
9. 清掃不足
   防水パンや排水トラップの掃除を怠り、カビやヌメリ、悪臭が発生する。
10. 水漏れセンサー未設置
    水漏れが発生してもすぐに気づかず、被害が拡大してしまう。

これらの失敗を避けるためにも、事前の確認と適切な対策が重要です。

設置前チェックシート

防水パンを設置する前に、以下のチェックリストを活用し、必要な情報を確認しておきましょう。これにより、設置時のトラブルを避け、スムーズな導入が可能になります。

採寸

⚪︎ 設置スペースの幅、奥行き、高さに十分な余裕があるか？
⚪︎ 洗濯機本体の幅、奥行き、高さ（扉開閉時も含む）は問題ないか？
⚪︎ 選定した防水パンのサイズは適切か（特に内寸）？
⚪︎ 蛇口の高さと洗濯機の蓋の開閉は干渉しないか？
⚪︎ 排水口の位置（壁からの距離、左右のずれ）は問題ないか？

排水方向

⚪︎ 洗濯機の排水ホースの取り出し方向と、防水パンの排水口の位置は合致しているか？
⚪︎ 横引きトラップなどが必要ないか？

床材

⚪︎ 設置箇所の床材は何か（木質、コンクリート、防水シートなど）？
⚪︎ 水濡れに弱い床材の場合、防水対策は十分か？

近接干渉

⚪︎ 洗濯機や防水パンが、洗面台、壁、棚などと干渉しないか？
⚪︎ 扉や引き出しの開閉に支障はないか？

搬入経路

⚪︎ 防水パンや洗濯機本体を設置場所までスムーズに搬入できるか？（玄関、廊下、階段、ドアの幅など）

電源と蛇口

⚪︎ 洗濯機用のコンセントは近くにあるか？
⚪︎ 給水用の蛇口は近くにあり、ホースが届くか？
⚪︎ アース線は接続可能か？

これらの項目を事前に確認することで、設置後の「しまった！」を防ぎ、安心して洗濯機を使用できます。

設置後チェックシート

防水パン設置後も、いくつかの項目を確認することで、水漏れなどのトラブルを未然に防ぎ、安心して使用できます。以下のチェックリストを参考に、確認作業を行いましょう。

水張り試験

⚪︎ 防水パンの内部に水を溜め、数分間放置して水漏れがないか確認する。
⚪︎ 特に排水トラップの接続部やパン本体のひび割れがないか注意深くチェックする。

振動

⚪︎ 洗濯機を運転し、特に脱水時に過度な振動がないか確認する。
⚪︎ 防水パンがしっかりと固定され、洗濯機も水平に設置されているか再確認する。

排水音

⚪︎ 洗濯機を運転し、排水時に異音（コポコポ音など）がしないか確認する。
⚪︎ 封水が適切に溜まっているか、排水トラップが正しく機能しているかを確認する。

臭気

⚪︎ 洗濯機運転時や停止時に、下水のような嫌な臭いがしないか確認する。
⚪︎ 封水切れの症状がないか、定期的にチェックする。

センサー作動（設置した場合）

⚪︎ 漏水センサーを設置した場合、少量の水をセンサー部分に垂らすなどして、正常にアラームが作動するかテストする。

写真記録

⚪︎ 設置完了後、防水パン全体、洗濯機との接続部、排水口周辺など、複数枚の写真を撮影し、記録として残しておく。万が一トラブルが発生した際の証拠となります。

これらのチェックを怠らずに行うことで、洗濯機防水パンの安全な運用と、長期的な安心につながります。

洗濯機の防水パンに関するよくある質問

洗濯機の防水パンは、水漏れや振動から床を保護する重要な設備です。ここでは、防水パンに関するよくある疑問について詳しく解説します。

• 洗濯機の防水パンは必ず必要？設置しなくても問題ない？
• 防水パンのサイズはどのように選べばいい？
• 防水パンの掃除はどうすればいい？汚れがたまりやすい？
• 防水パンの交換は必要？寿命や交換時期の目安は？

洗濯機の防水パンは必ず必要？設置しなくても問題ない？

防水パンは必須ではありませんが、設置することで以下のメリットが得られます。

防水パンを設置するメリット

水漏れ対策

万が一の水漏れ時に、床や階下への被害を防ぎます。

床の保護

洗濯機の重さや振動から床を守り、傷みを軽減します。

掃除のしやすさ

防水パンがあることで、洗濯機下の汚れやカビの発生を抑えることができます。

住戸条件で変わります。上階/賃貸/集合住宅は実質必須。詳しくは結論と30秒判定早見表

防水パンのサイズはどのように選べばいい？

防水パンのサイズは、設置する洗濯機や設置スペースに合わせて選びます。

防水パンの選び方

項目	選び方のポイント
洗濯機のサイズ	取扱説明書を確認し、適合するサイズを選ぶ
設置スペース	設置場所の広さを測り、余裕を持たせる
排水口の位置	排水口の位置に適合する防水パンを選ぶ

洗濯機の外形＋脚位置/排水位置で決めます。 洗濯機の防水パンの選び方と注意点を参照。

防水パンの掃除はどうすればいい？汚れがたまりやすい？

防水パンは汚れが溜まりやすいため、定期的に掃除を行いましょう。

防水パンの掃除手順

1. ゴミの除去
   手で取れるゴミやホコリを取り除く。
2. 掃除機で吸引
   隙間用ノズルを使い、細かいゴミを吸い取る。
3. 洗剤を使って拭き掃除
   中性洗剤を含ませた布で拭き取る。
4. 乾燥させる
   湿気がこもらないようにしっかり乾燥させる。

特に、かさ上げタイプの防水パンは洗濯機の下にスペースがあるため、掃除がしやすくおすすめです。

月1回＋清掃ハッチ活用が基本。メンテ性と臭気対策（封水・トラップ・清掃ハッチ）を参照。

防水パンの交換は必要？寿命や交換時期の目安は？

防水パンの寿命は、使用状況や材質によりますが、一般的には10年程度です。以下のような場合には交換を検討しましょう。

防水パンの交換が必要なケース

ひび割れや破損

防水パンにひびが入っている場合、早めの交換が必要。

水漏れが発生

排水口や接続部分から水漏れが確認された場合。

洗濯機のサイズ変更

新しい洗濯機を購入し、サイズが合わなくなった場合。

防水パンの設置費用は約2万円前後が相場です。定期的な点検を行い、必要に応じて交換することで、漏水トラブルを未然に防げます。

まとめ

洗濯機の防水パンは、水漏れの被害を広げないために重要です。防水パンを使用しない場合、水漏れが生じた際に、床材の腐食や下階への水漏れリスクが高まります。防水パンの適切な選び方と設置方法を理解し、自宅の洗濯機設置環境に最適なものを選ぶことが大切です。

防水パンがない場合のリスクを理解し、代わりに防水シートやマットを利用するのも有効です。適切な対策を行うことで、水漏れによる床の損傷や水害のリスクを大幅に低減できます。生活環境に合わせて最適な対策を行ってください。