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水道のトラブルは突然発生します。トラブル発生の緊急時に「止水栓が回らない…」と困ったことはありませんか?
この記事では、止水栓の回らない原因から対処方法までを解説します。記事を読むと、トラブルにも落ち着いて対応できるようになります。
止水栓は通常、右回りで閉まり、左回りで開く構造です。止水栓が固着している場合、ゴム手袋や潤滑スプレーの使用が有効です。自分では難しいと感じたら、無理をせずにプロに依頼しましょう。
止水栓が回らないとき最初に確認する3つのポイント

止水栓が回らないと感じたら、まず確認すべき基本的なポイントが3つあります。焦って力を加える前に、落ち着いて以下の点を確認しましょう。意外と簡単な見落としが原因かもしれません。
- 回す方向を間違えていないか
- ハンドル/ドライバーのかけ方は正しいか
- 元栓を閉める必要があるケース
回す方向を間違えていないか

止水栓が回らない原因の1つは正しく回していないことです。止水栓は右回りで閉め、左回りで開けることが一般的です。ハンドル式、ドライバー式どちらのタイプでも同じです。まずは回す方向が正しいか、ゆっくり確認してみてください。力を加えるのはそれからです。
ハンドル/ドライバーのかけ方は正しいか
ハンドル式の場合は、まずハンドルをしっかり握れているか確認しましょう。手が濡れている、油分が付いていると滑りやすく、力が入りにくくなります。ドライバー式(内ネジ式・外ネジ式)の場合は、ドライバーの先端がネジの溝に正しくはまっているか確認してください。サイズが合わないドライバーや斜めにかけた状態で回すと、ネジ山を潰してしまう(なめる)リスクがあります。適切なサイズのドライバーを選び、まっすぐ奥まで差し込んで回すことが大切です。
ハンドル式の止水栓に不適切な工具を使うことで、問題が発生する場合があります。工具を使って無理に回すと、止水栓を破損させるリスクがあります。止水栓の構造を理解し、正しい方法で操作することが重要です。
元栓を閉める必要があるケース
止水栓で止水ができない場合や、止水栓自体から水漏れしている場合は、家全体の水道元栓を閉める必要があります。元栓は通常、水道メーターのそばに設置されています。
元栓の場所や閉め方が分からない場合は、無理に作業せず管理会社や水道業者へ連絡してください。特にマンションなどの集合住宅では、自室だけでなく他の住戸へ影響する恐れがあるため慎重に対応しましょう。
止水栓が回らないリスクと放置した場合の影響

止水栓が回らない状態を放置すると、さまざまなリスクが発生します。水漏れが起きた際に水を止められず、被害が広がる恐れがあります。特に見えない場所での水漏れは、気づかない間に深刻な状況を招くことがあります。
- 水漏れ・床材腐食・カビ発生など二次被害の例
- 賃貸住宅での原状回復費用が高額化するケース
水漏れ・床材腐食・カビ発生など二次被害の例
止水栓が正常に機能しないと水漏れを止められず、床や壁の内部に水が浸入します。その結果、床材の腐食やカビの発生につながります。カビは健康被害を引き起こし、見た目も悪化させます。修復には多くの時間と費用がかかり、日常生活への影響も避けられません。初期対応が遅れることで、被害はさらに拡大します。
特に集合住宅では、階下への水漏れのリスクがあり、重大なトラブルに発展する恐れがあります。二次被害を防ぐためにも、止水栓の正常動作は重要です。
賃貸住宅での原状回復費用が高額化するケース
賃貸住宅で止水栓が回らず水漏れが広がると、退去時の原状回復費用が高額になる可能性があります。借主には入居時の状態に戻して部屋を返す「原状回復義務」が課されています。通常の経年劣化を超える損傷、例えば水漏れによる床材の腐食や壁のシミ、カビの発生などは、借主が修繕費用を負担するケースが多いです。止水栓の不具合を放置して被害が拡大すると、修繕費用はさらに高額になる傾向があります。
大家さんや管理会社への連絡が遅れると、対応が後手に回り、結果的に負担額が増える場合もあります。異変に気づいたらすぐに報告し、適切な対処を行うことが無駄な出費を防ぐために重要です。
回らない主な原因とセルフチェック方法

基本的な確認をしても止水栓が回らない場合、いくつかの原因が考えられます。原因を特定することで、適切な対処法が見えてきます。ここでは主な原因と、自分でできるチェック方法を紹介します。
- 止水栓が固着している
- 長期間の使用により劣化している
- 水垢やサビが蓄積している
止水栓が固着している

回らない原因に止水栓が固着していることがあります。固着している止水栓は、長い間動かされず、メンテナンスされていないことが多いです。止水栓の種類によっては、使用頻度が低いと固着する場合もあります。
止水栓は密閉性を高める設計のため、固着しやすいです。低品質の材料で作られていると、経年劣化によって特に固着しやすくなります。
固着は、予防や適切な対処で回避できます。止水栓に問題が生じたときは、早急な対応が肝心です。
長期間の使用により劣化している
長期間の使用によって止水栓の劣化が起こるのは一般的な現象です。長期間の使用でゴムが硬化したり、部品が摩耗したりします。
止水栓の開閉動作は部品の摩耗が進み、止水栓が固くなる原因になります。可動部の摩耗により摩擦が増えていることや汚れや異物が溜まることで、動きが悪くなる状態も一般的です。
部品の劣化によって止水栓の開閉がスムーズに行えなくなります。部品の劣化に適切な対応をすると、止水栓の動作を改善できます。
水垢やサビが蓄積している
水垢やサビが蓄積していることは、止水栓が回らなくなる原因の1つです。
- 水垢は硬水に含まれるミネラルが結晶化して形成される
- サビは鉄部分が水や湿気と反応して酸化することで生じる
水垢やサビの蓄積によって止水栓の可動部が固くなり、回りにくくなります。定期的な清掃やメンテナンスをしないと、止水栓が完全に固着してしまい、回らなくなります。
DIYの難易度と作業時間の目安

止水栓が回らない原因は複数あり、固着の程度によってDIYでの対処難易度や必要な作業時間は変わります。軽度の固着なら短時間で解決できますが、中度以上の場合は追加の工具が必要になり、無理をするとかえって状況を悪化させる恐れがあります。状況を正しく見極め、適切な方法を選ぶことが重要です。
- 軽度の固着(10分以内で解決するパターン)
- 中度の固着(30分前後・追加工具が必要)
- 重度の固着(60分超・プロ依頼推奨ライン)
軽度の固着(10分以内で解決するパターン)
長期間使用していない場合、軽度の固着は比較的簡単に対処できることがあります。ハンドル部分にタオルを巻き、滑りにくくしてから少し力を加えて回してみてください。
もしそれでも動かない場合は、ゴムハンマーでハンドル部分を軽く叩き、衝撃を与えることで固着が緩むことがあります。ただし、叩きすぎは危険です。強い衝撃を与えるとバルブや配管が破損する恐れがあるため、力加減には十分注意してください。
この程度の固着であれば、特別な工具は必要ない場合が多く、10分ほどの作業で解消できる可能性があります。無理をせず、慎重に作業を進めることが大切です。
中度の固着(30分前後・追加工具が必要)

軽度の固着より状態が進んでいる場合、追加工具が必要になることがあります。水栓用プライヤーやモンキーレンチを使い、ハンドル部分をしっかり掴んで回しましょう。
力を一気に加えず、左右に少しずつ揺らすように動かすのがコツです。潤滑剤を少量スプレーし、少し時間を置いてから再度試すのも効果的です。ただし、潤滑剤の種類や使う量には注意しましょう。
作業時間は目安として30分ほどですが、工具の扱いに慣れていない場合はもう少しかかることがあります。配管を傷つけないよう、慎重に進めてください。
重度の固着(60分超・プロ依頼推奨ライン)
プライヤーを使ってもまったく動かない、錆びがひどい、バルブ自体が劣化している場合は、DIYでは対処が難しいです。無理に力を加えると、配管が破損したり水漏れが発生したりと、深刻なトラブルにつながる可能性があります。
作業時間が60分を超えても解決できない場合や、自分での作業に不安がある場合は、無理せず水道業者に依頼することを強くおすすめします。専門業者であれば状況を正確に見極め、適切な工具と技術で安全に問題を解消してくれます。
費用はかかりますが、より大きなトラブルを防ぐためにはプロに任せるのが賢明な選択です。早めに依頼することで、結果的に時間と費用を抑えられる場合もあります。
止水栓が回らないときの対処方法

止水栓が回らないときの対処方法はタイプによって異なります。
- ハンドル式止水栓の場合
- 内ネジ式止水栓の場合
- 外ネジ式止水栓の場合
- 水栓メーカーの純正止水栓の場合
ハンドル式止水栓の場合

ハンドル式止水栓が回らない場合の対処法は以下のとおりです。
- ゴム手袋や布で握り、グリップ力を上げる
- 固着には潤滑スプレーをハンドルの根元に噴射する
- スプレーしたあとに数分時間をおいてから回す
- 時計回りと反時計回りに、少しずつゆっくりと交互に回します
- 無理な力を加えず、固着をほぐすイメージで行いましょう
対処しても改善しない場合はプロに相談してください。止水栓を安全に操作するためには、焦らずに対処することが重要です。
内ネジ式止水栓の場合


内ネジ式止水栓が回らない場合、適切なドライバーを使うことが重要です。止水栓を傷つけないために、溝に合うマイナスドライバーを選んでください。

止水栓を回すときはドライバーを溝の奥まで差し込み、垂直に押しながら回します。無理に力を入れると、壊してしまうので注意が必要です。
ドライバーを使っても止水栓が動かない場合は、専用の工具が必要です。プロに任せることをおすすめします。
外ネジ式止水栓の場合

マイナスドライバーで回す
- 適切なサイズのドライバーを使用し、通常通り回しましょう。
袋ナットを緩める
- 袋ナットをレンチで約2回転緩めます。
- 再度ドライバーで回してみてください。
スピンドルを直接回す
- 袋ナットを外し、スピンドルの頭を露出させます
- ウォーターポンププライヤーでスピンドルを掴み、ゆっくりと回します。
- 注意: 水が漏れる可能性があるため、タオルやバケツを用意しましょう
外ネジ式止水栓が回らない場合はプライヤーと布を用意してください。止水栓のネジを傷をつけないために、布で覆った後にプライヤーで挟みます。

ネジに力を加えられるように両手で握り、プライヤーを回します。止水栓が回らない場合は、潤滑スプレーを噴射してからもう一度試してください。
作業中は止水栓に損傷を与えないよう注意が必要です。適切な手順で行えば、止水栓が回らない問題を解決できます。
水栓メーカーの純正止水栓
これらは扱いが難しく、特にINAX製品は柔らかい素材を使用しているため、固くなると対処が困難です。
注意点
- 無理に回さない ;強引に回すと、破損やネジ山をなめる原因になります
- 力を入れすぎない ;特に工具を使用する際は、力加減に注意してください
手元にある工具でできる応急処置

固い止水栓を開けるためのポイントは以下のとおりです。
- ゴム手袋や布でグリップ力を上げる
- 潤滑油や潤滑スプレーを利用する
- 熱を加えて膨張させる
- 軽く叩いて振動を与える
ゴム手袋や布でグリップ力を上げる
ゴム手袋や布を使用してグリップ力を上げると、固い止水栓が開けやすくなります。
ゴム手袋は滑りにくく、止水栓にしっかり力を加えることに有効です。布やタオルを止水栓のハンドルに巻きつけると、表面の摩擦を増え、手が滑るのを防ぎます。
ゴム手袋や布を使用することで、手を保護しながら安定して力を加えられます。
潤滑油や潤滑スプレーを利用する

潤滑油や潤滑スプレーを使用すると、止水栓をスムーズに動かすことができます。サビや固着を防ぐ場合にも有効です。
使用する前に止水栓の余分な汚れや水分を拭き取ります。動きの悪い部分に潤滑油や潤滑スプレーを使用してください。使用した後は数分間放置して浸透させると効果的です。
1回のスプレーで回らない場合は、繰り返し試しましょう。適切な手順を踏むと、固くなった止水栓を開けられます。
熱を加えて膨張させる

止水栓の固着には、熱を加えて金属を膨張させる方法が有効です。ヘアドライヤーで熱を加えて金属が膨張すると、固着部分が緩みます。
熱を均等に加えることが重要です。金属が損傷しないよう注意しましょう。
加熱後は、金属が冷める前に作業をすることが重要です。適切に実行すると、固着した止水栓を緩められます。
軽く叩いて振動を与える

ゴム製ハンマーや木槌で振動を与える
- 手順
- ⚪︎ 止水栓のハンドル部分やネジ溝にマイナスドライバーの先端を当てます
⚪︎ ドライバーの柄をゴム製ハンマーや木槌で軽く叩きます - 効果
- ⚪︎ 振動によって内部の固着がほぐれ、回りやすくなることがあります
時計回りと反時計回りに交互に回す
- 手順
- ⚪︎ 振動を与えた後、止水栓を少しずつ時計回りと反時計回りに交互に回してみます
- 効果
- ⚪︎ 振動を与えた後、止水栓を少しずつ時計回りと反時計回りに交互に回してみます
注意すべきポイント
力の入れすぎに注意
- ハンマーで叩く際は、強く叩きすぎないようにしましょう
- 過度な力は止水栓を破損させる恐れがあります
止水栓を傷つけずに緩めるには、軽く叩いて振動を与えるのが効果的です。振動を与えることで、止水栓に固着した水垢やサビを緩められます。
作業にはゴム製のハンマーを使いましょう。金属製のハンマーは使わないでください。ゴムは、衝撃を和らげながら適度な振動を止水栓に与えるので、破損リスクを抑えられます。
止水栓を壊さないように、適度な力で叩くことが重要です。
交換・修理に必要な工具と入手方法

止水栓が固着している場合、状態によっては部品交換や修理が必要になることがあります。DIYで対処する際は、必要な工具を正しく用意することが作業成功のポイントです。
- 初心者向け必須工具5選(ホームセンターで揃う)
- 代替工具で失敗しやすい事例と注意点
- 工具レンタルサービスを利用する方法
初心者向け必須工具5選(ホームセンターで揃う)
比較的軽作業やDIYに挑戦したい初心者の方には、以下の5つの工具があると便利です。どれも一般的なホームセンターで手軽に購入できます。
- ウォーターポンププライヤー
- 様々なサイズのナットやパイプをしっかり掴める万能工具です。止水栓のハンドルやナットを回すときに重宝します。
- モンキーレンチ
- 開口部の幅を調整できるため、ナットのサイズに合わせて使えます。ウォーターポンププライヤーでは掴みにくい箇所に便利です。
- シールテープ
- ネジ部分からの水漏れを防ぐために巻き付けます。部品交換の際には欠かせません。
- タオル・雑巾
- 作業中の水滴を拭き取ったり、工具で掴むときに部材を保護したりする用途があります。
- ゴム手袋
- 手の保護や滑り止め効果があるため、必ず着用することをおすすめします。
これらの基本工具が揃っていれば、初心者でも簡単な作業に対応できます。ただし、作業内容によってはさらに専門的な工具が必要になることもあります。
代替工具で失敗しやすい事例と注意点
適切な工具が手元にない場合、ペンチやスパナなどで代用しようとすると失敗のリスクが高まります。たとえば、サイズが合わない工具で無理にナットを回そうとすると、ナットの角が潰れて「なめる」状態になり、さらに回しづらくなります。
また、パイプを掴む際に適切なプライヤーを使わないと、パイプ自体が変形したり、表面に傷がついたりする可能性があります。こうした損傷は水漏れの原因となり、後々の修理を難しくすることがあります。
作業を行う際は、対象や目的に合った工具を選ぶことが大切です。代替工具の使用は極力控え、どうしても使う場合は慎重に作業を進めましょう。
工具レンタルサービスを利用する方法
専門工具は高価で、一度しか使わないなら購入をためらうこともあります。そんなときは、工具レンタルサービスを活用するのがおすすめです。多くのホームセンターでは工具レンタルを提供しています。さらに、インターネットには工具専門のレンタル業者もあります。必要な工具の種類や使用期間を伝えることで、適切な工具を借りられます。
レンタル料金や期間、保証内容を事前にしっかり確認し、作業内容に合ったサービスを選びましょう。購入よりも費用を抑えられ、保管場所に困らない点も魅力です。ほかのDIY作業でも役立つレンタルサービスを、ぜひ上手に活用してください。
止水栓を回す際のポイント

以下の点に注意して止水栓を回しましょう。
- 正しく力を加えて回す
- 適切な工具を使用する
- 難しい場合はプロに依頼する
正しく力を加えて回す
止水栓を回す際には、正しい方法で力を加えることが大切です。止水栓のハンドルやネジに対して直角に力をかけることで、スムーズに動かせます。
力を一点に集中させると止水栓に無理な負担がかかり、破損の原因となるので注意が必要です。止水栓に力を均等に加えながら回します。止水栓の操作は時計回りで閉め、反時計回りで開けると覚えましょう。
回転方向を間違えると止水栓の固着を悪化させる可能性があります。徐々に止水栓を回すことで破損を防ぎ、安全な作業ができます。
適切な工具を使用する

止水栓を回す際に重要なのは、適切な工具を使用することです。適切な工具を使用すると無理なく、正確に止水栓の操作ができるようになります。
- 止水栓のタイプに合ったサイズの工具を選ぶ
- 水道メインバルブ用レンチやパイプレンチを用意する
- グリップが滑りにくい工具を選ぶ
- 必要に応じて、滑り止めを使う
工具を使う際には適切な力で操作しましょう。適正な工具の選択と使用は、止水栓の問題を解決する上で大切です。
【LIXIL】こんなときどうする?~止水栓が固くて閉まらないとき~
LIXIL Corporation
よくある誤解とNG行動

止水栓が回らない時、良かれと思って行った対処がかえって状況を悪化させてしまうことがあります。よくある誤解と避けるべきNG行動を知っておきましょう。
- 潤滑スプレーのかけ過ぎでゴムパッキンを劣化させる例
- 防水テープを多用して余計に固着を招くパターン
潤滑スプレーのかけ過ぎでゴムパッキンを劣化させる例
固着した止水栓を回す際、潤滑スプレーを使うのはよく知られた方法の一つです。ただし、スプレーの種類や量を誤ると逆効果になることがあります。
特に石油系成分を含む潤滑スプレーをゴム製パッキンに大量にかけると、ゴムが膨張したり、劣化が進んだりするリスクがあります。劣化したパッキンは水漏れの原因になるため注意が必要です。使用する際は、ゴムやプラスチック対応の潤滑スプレーを選び、必要最小限の量にとどめましょう。
また、潤滑スプレーは万能ではなく、原因によっては効果が期待できない場合もあります。場合によってはかえってトラブルを増やす可能性があることを理解しておくことが大切です。
シールテープを多用して余計に固着を招くパターン
水漏れ対策としてネジ部分にシールテープ(防水テープ)を巻くのは正しい方法です。ただし、テープを必要以上に厚く巻きすぎるとネジが締め込みにくくなり、結果的に固着を引き起こすことがあります。
さらに、古いシールテープが固まることで分解が難しくなる場合もあります。シールテープは通常5~6周程度、ネジの溝に沿って適切に巻くことが重要です。誤った使い方や過剰な使用は、問題を解決するどころか新たなトラブルを招く恐れがあります。
作業に自信がない場合や適切な方法がわからないときは、無理せず専門業者に相談することをおすすめします。自己流の対処にはリスクが伴います。
それでも回らない場合の安全な最終手段

- 水道メーター横のバルブで家全体を止水
- 専門業者に連絡する
水道メーター横のバルブで家全体を止水
最終手段
どの方法でも回らない場合は、水道メーター横のバルブを締めて家全体の水を止める方法があります。


個別の止水栓が閉まらない場合でも、家全体の水道供給を止める「元栓(止水栓)」を閉めれば水漏れを一時的に防げます。元栓は通常、屋外の水道メーターボックス内にあります。
メーターボックスの蓋を開け、メーター横のバルブ(レバー式またはハンドル式)を時計回りに回すと家全体の水が止まります。ただし、この間はすべての蛇口が使えなくなるため注意が必要です。
プロに依頼するときの費用相場と業者選びのコツ
止水栓の固着がひどく、DIYでの解決が難しい場合は、プロの水道業者への依頼が必要です。費用相場を知り、信頼できる業者を選ぶためのポイントを押さえておきましょう。
平日昼間/夜間・休日の料金例
水道業者の料金は依頼する時間帯や曜日で変わるのが一般的です。平日昼間の基本料金に加え、夜間(例:20時~翌8時)や土日祝日には割増料金が発生する場合が多いです。
例えば、平日昼間の作業料金が8,000円~15,000円程度の場合、夜間・休日は3,000円~5,000円ほどの割増料金が上乗せされることがあります。部品交換が必要なケースでは、これに別途部品代も加算されます。料金体系は業者ごとに異なるため、依頼前にしっかり確認しておきましょう。
緊急性が低い場合は、割増料金のかからない平日昼間に依頼することで費用を抑えられます。ただし、水漏れなど急を要するトラブルでは、費用よりもスピード重視で対応することが重要です。
止水栓修理・交換時の費用相場
止水栓の修理や交換にかかる費用は、作業内容や使用部品によって異なりますが、以下が一般的な相場です。
作業内容 | 費用相場 |
止水栓の簡単な修理(ナットの締め直し、パッキン交換など) | 3,000円〜10,000円 |
止水栓の交換(部品代含む) | 6,000円〜15,000円 |
配管修理が伴う場合 | 15,000円〜50,000円 |
※費用は地域や業者によって異なるため、事前に見積もりを取ることが重要です。
見積もりチェックポイントとトラブル回避策
業者に依頼する前に、必ず事前見積もりを取りましょう。見積もり無料の業者を選ぶのが基本です。見積書では作業内容、各項目の料金、出張費、部品代などが明確に記載されているか確認しましょう。
「一式」など内訳が曖昧な見積もりは要注意です。作業前に追加料金が発生する可能性や、保証内容も確認してください。複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」を行えば、料金やサービスを比較検討でき、適正価格を把握しやすくなります。
見積もりで納得できない点や不明点があれば、遠慮せず質問しましょう。丁寧な説明がない業者や契約を急かす業者は避けた方が安全です。
悪質な格安業者を見抜くチェックリスト
格安料金をアピールする業者の中には、悪質なケースが紛れていることがあります。トラブルを避けるため、次のポイントを確認しましょう。
- 極端に安い広告
- 相場から大きく外れた低価格には要注意です。「基本料金〇〇円~」と安く見せかけ、後から高額な追加料金を請求されることがあります。
- 連絡先が不明瞭
- ホームページや広告に会社の住所や固定電話番号が記載されていない業者は信用できません。
- 見積もりを渋る・詳細を出さない
- 事前に明確な見積もりを提示しない、または内訳を教えてくれない業者には注意が必要です。
- 契約を急がせる
- 不安を煽ってその場で契約を迫る業者は避けましょう。
- 実績や資格が確認できない
- 水道局指定工事店か、資格保有者が在籍しているかを確認しましょう。
- 口コミ・評判
- インターネット上の口コミを参考にするのは有効ですが、過信は禁物です。
これらのポイントをチェックして、信頼できる業者を選びましょう。少しでも不安を感じた場合は、依頼を見送る判断も大切です。
専門業者に連絡する

自分で対応することが難しい場合は、プロに依頼することをおすすめします。専門知識と豊富な経験を持っているため、迅速に問題を解決できる点がメリットです。
専門家は止水栓に詳しく、適切な工具を使用して作業を行うため、作業中の破損リスクを抑えられます。プロに依頼すると、作業の保証が付いていることが多く、トラブル防止になります。
プロは固着した止水栓を回すだけでなく、原因の特定と再発防止も提案してくれます。トラブルが発生した際には、ストレスを減らして時間を節約するためにも、プロに依頼しましょう。
固着を防ぐメンテナンス習慣

止水栓が固まってしまうトラブルは、日頃のちょっとしたメンテナンスで予防できます。いざという時に困らないために、定期的なチェックとケアを習慣づけましょう。
- 月1回の開閉と清掃チェックリスト
- シリコングリスの塗布タイミング
月1回の開閉と清掃チェックリスト
止水栓を長期間動かさないことが固着の主な原因です。月に1回ほど、意識して止水栓を全開・全閉・再び全開と数回動かす習慣をつけましょう。これにより内部部品の固着を防げます。開閉操作に加え、止水栓周りの簡単な清掃もおすすめです。ホコリや水垢を布で拭き取るだけで、サビや腐食の予防になります。
チェックポイントとしては、以下の2つを意識してください。
- 月1回動かす
- ホコリ・水垢を拭く
シリコングリスの塗布タイミング
止水栓内部のスピンドルやパッキンの劣化を防ぎ、動きをスムーズに保つには、シリコングリスの塗布が有効です。ただし、分解作業を伴う場合が多いため、専門的な知識がない場合は無理に作業を行わないようにしましょう。
ご自身でパッキンを交換する機会があれば、その際にスピンドルのネジ部分やパッキンの周辺に薄くシリコングリスを塗ると効果的です。塗布の目安は数年に一度、または止水栓の操作が重く感じられるようになったタイミングです。不安がある場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。
止水栓に関するよくある質問

- 止水栓の固着を防ぐには?
- 止水栓がまったく回らないときの対処法は?
- 止水栓だけでなく水道全体のメンテナンスをしたいのですが?
- マンション住まいの場合は?
止水栓の固着を防ぐには?
止水栓が固着すると、いざというときに開閉できず、トラブルの原因になります。以下の対策を実践することで、固着を予防できます。
- 定期的に開閉する
- 長期間動かさないと内部の部品が固着しやすくなります。少なくとも年に一度は開閉して状態を確認しましょう。
- 潤滑剤を使用する
- シリコングリスなどの潤滑剤を止水栓のネジ部分に塗布すると、摩擦が軽減され固着を防げます。使用前に汚れを拭き取ると効果的です。
- サビ取り剤で清掃する
- 止水栓周辺のサビや汚れを落とすことで、動作をスムーズに保てます。サビが進行している場合は、早めの対処が必要です。
止水栓がまったく回らないときの対処法は?

止水栓が固まって回らない場合、以下の方法を試してみましょう。
- 潤滑剤を使う
- 潤滑剤をスプレーし、数分間浸透させてから再度回してみましょう。
- ハンマーで軽く叩く
- ゴムハンマーを使って止水栓の周囲を軽く叩くと、固着した部分がほぐれることがあります。ただし、力を入れすぎると破損する可能性があるので注意が必要です。
- ウォーターポンププライヤーを使用する
- プライヤーを使って慎重に力を加えて回すと、固着が解消される場合があります。
- ドライヤーで温める
- 金属の膨張を利用して、ドライヤーで温めた後に回してみるのも有効な手段です。
- 専門業者に依頼する
- 上記の方法でも回らない場合は、無理に動かさずに専門業者に相談しましょう。無理に回すと水道管を破損するリスクがあります。
止水栓だけでなく水道全体のメンテナンスをしたいのですが?

水道局指定水道工事店やリフォーム業者に相談すると、水道管や蛇口なども含めた総合的な点検・メンテナンスが可能です。
メンテナンス項目 | 方法 |
配管の定期点検 | 配管にサビや漏水がないかチェック |
水漏れの確認 | 配管にサビや漏水がないかチェック |
排水口の点検 | 配管に詰まりがないかチェック |
止水栓だけでなく、水道設備全体を適切に管理することで、トラブルを未然に防げます。
マンション住まいの場合は?

マンションでは、個別の止水栓だけでなく共用設備も関係するため、対応方法が異なります。
- 管理会社に相談する
- マンション全体の水道設備の管理は、管理会社が担当していることが多いため、トラブルが発生したらまず相談しましょう。
- 他の住人と協力する
- 共用設備に関するトラブルは、他の住人とも連携しながら管理会社に報告することで、スムーズに対応できます。
- 定期点検を確認する
- 共用設備の点検が定期的に行われているか確認し、必要なら意見を伝えましょう。
まとめ

止水栓が回らないと、日常生活において大きな不便を感じます。止水栓が回らない原因はさまざまです。
- 正しく回していない
- 止水栓が固着している
- 長期間の使用により劣化している
- 水垢やサビが蓄積している
固い止水栓を開けるためは、止水栓の種類に応じた適切な対処法を試しましょう。以下の簡易的な方法が役立ちます。
- ゴム手袋や布でグリップ力を上げる
- 潤滑油や潤滑スプレーを利用する
- 熱を加えて膨張させる
- 軽く叩いて振動を与える
対処方法を試しても問題が解決しない場合は、適切な工具や力の加え方を確認します。自分で難しいと感じたときはプロに相談することが大切です。
» 蛇口の水漏れ対策